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第四話




私は、さっそく教室を出て、図書室へ向かう。

さっきの資料に、書いてあったからだ。

雪奈からいわれた人の名前は"白崎(しらさき) (けい)"先輩だ。

私よりひとつ年上の高校二年生で、弓道部に所属している。

その腕前は、かなりのもののようだ。

三年生の先輩方がいるのに関わらず、数々の大会で優勝や準優勝という成績を修めていることからそのことがよく分かる

…そんな先輩を、ちゃんとチームに誘えるかなぁ…。

で、でも、誘えなかったら、雪菜様がお怒りになるし…。

よし、頑張ろう!

自分を元気付けてから、図書室のドアを開けた。


「失礼します…」


図書室の中はしーんと静かで、少し怖い。

それでも足を進めて、エレベーターへ向かった。

この学校の図書室は、とても広い。

地上一階から地下二階まであるのだ。

そのおかげで蔵書の数が多く、私はとても気に入っていて、昼休みによく本を借りにきていた。


その時に、何度か白崎先輩も見かけたことがある。

綺麗に整った顔にめがねを掛けていた。

からだも細身で、身長は高かったけど、運動部だとはわからなかったな。

最近読んでいるのは、たしかミステリーだったはず。

ミステリーがあるのは、地下一階だ。

エレベーターにのり、ボタンを押した。

すぐに、地下一階へつき、私はミステリーの棚に向かう。

図書室にはよく来るから、どこにあるのかすぐわかった。

棚を見ていくと、人影があった。

たぶん、白崎先輩だろう。

今日は顧問の先生がいないので、弓道部は休み。

他の部は通常通り、活動しているからだ。

近づいていくと、やはり、白崎先輩だった。


「こんにちは。白崎先輩ですよね?」


声を掛けると、一瞬だけこちらに目を向ける。


「あぁ、そうだ」

「初めまして。私は一年三組の篠原 梨亜です。

今日は、先輩に用事があって着ました」


白崎先輩は、読んでいた本を閉じて棚に置いた。

その本は、私が一度読んだことのある本だった。


「用事って、なんだ?…予想はついてるが」

「ええ、たぶん先輩が思っていることと、同じだと思います。

…先輩、私のチームに入ってください」


やっぱりか、というような顔をして、先輩は言う。


「…残念だが、それは出来ない」

「そうですよね。…先輩の親衛隊の子が、先輩をリーダーにチーム

の子が、先輩をリーダーにチームをつくると言っていましたか

ら」

「知っていたのに、俺を誘ったのか?」

「えぇ。どうしても、先輩にチームに入ってほしかったので」

「…なんでだ?」


なんで…?

それは、雪菜が言ったからだ。

でも、きっとそんな答えではダメだろう。

白崎先輩に、チームに入ってほしい理由、は……。


「それ、は…」


答えられない私を見て、先輩は私から視線を外した。

このままでは、きっとチームに入ってくれない!

早く答えなきゃ!

そう思えば思うほど、焦って言葉に出来ない。


「答えられないなら、俺はもう行く」

「…先輩と、本の話をしたいからです!」


…焦った私の口から出たのは、そんな言葉だった。

あああ、なんか変なことを言ってしまったぁああ!

なんだ、本の話って!

いや、すっごくしたいけども!!


「ぷっ、」

「へ?」

「ふはっ、なんだそれ、本の話って」

「ですよね!」


自分でもおかしいってわかるよ…。


「いいぞ」

「え?」

「お前…、篠原のチームに入る」


えええ!?


「い、いいんですか!?」

「あぁ。入ってほしいんだろう?」

「もちろんです!」


こうして、白崎先輩がチームに入ってくれることになりました…?

ま、結果はよかったし、雪菜に起こられないから、いいよね!





遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした!!

次回は早めに投稿します!


読んでいただき、ありがとうございました。

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