スライム
いよいよ異世界にたどり着く、そこで出会った者は...
Level1
スライム
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...
..
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「うぅ、ぃいつっ...」
あの筋肉ババアむちゃくちゃやりやがる、全身筋肉痛と二日酔いをダブルで、くらった見たいに身体と頭がバラバラになりそうだ!
身動きが出来ず、のたうち回る...
UuuuuUuuuu...
さっきから、変な音してるし...?
「んっ!?何だっ?」
辺りが紫色の炎に包まれ、線を描く。幾何学模様を描くと、黄金の文字が浮かび上がり光だす。
「おぉぉ、我らが主が降臨された!皆のものひれ伏すのだ!!」
目の前に、一つの影が浮かび上がる。
「ようこそ、我が主!私が解りますか?」
それはこの世の者とも思えない、美女だった。
黒髪は長く、透き通るほどの白い肌。紅く光る眼に、聴くだけで傷が癒えそうな声。白いドレスに決して派手ではない装飾品。
これだよこれ!(ヒャッハー( ≧∀≦))女神ってまさしくこれを言うんだ!しかも、清楚系でなんとなくエロい!
「あぁ!俺は大丈夫!」(人生で一番のキメ顔を作る)
あぁ、これから俺の異世界勇者伝説が始まるんだなぁ。
「ここは何処かな?」
優しく微笑む美女が答える。
「ここは魔界の中心にある常闇の館、魔王様の館ですわ」
なんだと!いきなりラスボスのステージだと!!
「そうか、解った!すぐにここから逃げよう!大丈夫、この俺が勇者として守り抜いて見せる」
目を大きく開き、美女は信じられないように口を開く。
「ゆっ、勇者...あぁ、なんと言うことでしょう。お気を確かに!あなた様は歴代最強と呼ばれる。魔王様ですっ‼」
...
..
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「まっ、魔王?...」
そっちかよーーーーーー!!
普通、異世界に飛ばされた主人公って勇者じゃね? まぁ、確かにオンラインゲームサービス終了時に最後までやってたら魔王っぽい感じで異世界に召喚とか、今日から魔○とか、働○魔王さまみたいな魔王サイドもあるけどさ...
えぇぇー、そっち?いや、まぁ、うん?
「あれ?だったら君は?!」
バサッと黒き翼を広げ、膝ま付く。
「申し遅れました。私、魔王様に全てを捧げる忠実な従者。悪魔リリス·フォン·アシュタと申します。リリスとお呼び下さい、魔王様。」
「あっ、はい宜しく。でも、俺が魔王なんて自覚が全然無いんだけど?」
首を傾げ、優しく告げる。
「いいえ、あなた様は魔王様。漆黒の髪と瞳!そして、誰もがひれ伏す闇の魔力!歴代の力をすべて引き継ぐ、最強の魔王様ですわ。」
黒髪に黒い瞳は日本人だからだし、黒髪だったら君も一緒でしょ?魔力だって、全然...んっ?魔法っ?!
知ってる?っていうか、何となくだが理解できる。そう、頭の中に発動できる感覚があるのだ!ゲームやラノベで知っているような魔法が、やろうと思えば直ぐに発動できる。まるで、指を鳴らす位の感覚で当たり前のように...種類も膨大にw
その瞬間、悟った。俺、人間辞めてる。(自覚があるのだ、不死身であることに。自覚があるのだ、世界を滅ぼせることに。)
まぁ、面倒だからやらんのだが。いつの間にか魔王になってます。しかも、チート級にw
そっか、魔王か!何時でもやりたいようにできるって、こんな感覚なんだ。
「ふっ、ふはははははっ!ひれ伏せ!愚民ども‼」
ざざっーーーーーーー
「我らが魔王様!仰せのままに!!」
いつの間にか、辺りに気配が。黒いローブの影が一斉に膝ま付く。
「面を上げよ!」(なんつってww)
俺が一声かけると、黒いローブは消え去り、姿を現す。そこには、美女·美少女キラキラした目で、見上げていた。
「君達は?」
「この者達は、私と同じく魔王様に忠誠を誓う者達ですわ。魔の者、魔族、モンスター呼び方は様々ですわ。」
モンスター?とてもそうには見えない。すると、俺の前に一人の少女が前に出た。
「はじめまして、まおぅさま。あたしはスライムのスレイと言います。まおぅさまをまってました。」
スライム...スライムって言ったか?どうみても、ローションまみれの少女にしか見えない‼
服は普通のワンピースだし、ローションまみれってのを除けば、普通に美少女だ!
「コラ!スレイ、魔王様の御前です。控えなさい!申し訳ございません魔王様」
「いや、全然かまわない。はじめまして、スレイ!よろしくね」
スレイは恥ずかしそうに頬を染めると一歩控えた。
「申し訳ございません、魔王様。この子は個体数は多い種族なのですが、過去の歴史上、最も虐げられてきた者で...」
虐げられてきた?こんな美少女を?
「どう言うことだ、リリス?」
「はい。スレイ達、スライム種族は私達の中でも最も力が弱く、静かに平原等で生活をしていたのですが、歴代の勇者に檜の棒で殴られ、金品を巻き上げられ、さらには瀕死の彼女達を奴隷の如く鎖で繋ぎ、彼女達種族をコロシアムで同士討ちをさせ賭けを行うなど悲惨な過去がありまして...」
涙を瞳に貯め、優しくスレイを抱き締めるリリス。
「もう、だいじょうぶだよリリス。まおぅさまが来てくれたんだもん!」
こんな美少女を痛ぶるだと、どんな外道だ!そんな奴の畜生にも劣るじゃないか‼
俺は銀色に輝くスレイの髪を撫で、微笑んだ。
「もう、大丈夫だ!俺がスレイ達を守ってやるから、もう酷い事は起きないよ。」
満面の笑顔で、頷くスレイに心が暖かくなった。娘は居ないけど、娘ができたらこんな感じなんだろうか?
「リリス、今までの事を教えてくれないか、土地·歴史·種族·洗いざらい全部だ!特に歴代の勇者の事を全て教えてくれ‼」
「畏まりました、魔王様。お力になれるならなんでも致します。」
そして、俺は心に誓った。この子達を守る!
俺の魔王生活が始まった。