屋敷
人はこの世に未練があるとそこにのこる・・・
「イヤだよ!こんなところ入りたくないよ!」
僕は必死に抵抗をする。だが、貧弱な体の僕はすぐに押さえつけられ襟を辺に引っ張られながら謎の豪邸に入っていくのだった・・・
僕は無理矢理建物に入らされやりたくもない肝試しをやるはめになった。くじ引きで僕と辺がペアになり一番最初に行くことになった。そして、僕はまた辺に引っ張られながら肝試しを始めるのだった。
辺が歩くとミシミシと音を出していて今にも床が抜けそうだ。
「ここって何処なんだよ。いい加減離してくれよ・・・」
「ん?おかしいな・・・」
そこで辺は止まった。
「おいっ、話聞いてた?」
辺の襟をつかんでいる手を払って振り向くとワンピースを来た女の子が立っていた。何かを握りながら。
「おい、誰かは知らんがな、子供はこんなところに来ちゃ行けないんだ。帰りな。」
俺たちもな・・・
そう思っていると女の子は何もしない。ただ、人形みたいにそこにあるだけの存在のようだった。
「おいッ!聞いてんのか!」
辺が怒鳴って女の子に近づくと女の子は辺に近づいてきた。
「お、おい、辺・・・?」
「おい!」
すると、女の子はいきなり手で握っていたものを振り上げた。
それは、鉈だった。
「おい!辺!」
「え!?何だ!」
辺が返事をすると同時に鉈は辺の肩に刺さっていた。
「ッッ、!」
「コンドハ!ハズサナイ!!」
女の子はいきなり叫びだしそしてその声はがらがらで聞こえずらい。
「くそがッ!」
辺は女の子に右ストレートをかますと唖然としている僕の所に来た。
「何してんだ!逃げるぞ!」
「う、うん!」
僕たちは来た道を逆走するように走った・・・だが目的の場所にいっこうにたどり着けないのだ。
「ッ!」
「へ、辺!」
辺は肩の痛みが来たのだろうか肩に手を押さえながら止まっていた。
「いいから行け!お前はこの事を皆に伝えてここから早く出ろ!」
これは、アニメでよく見る死亡グラフだった。
「駄目だよ!こんなの死亡グラフじゃないか!」
「いいから行け!」
「ミィーツケェータァァァ!!!」
女の子はもう僕らのところまで来ていた。
「っ!また、後で合おう!」
「早く行け!」
僕はまた、走り出した。これをきっかけにしてこの屋敷は僕らを食らい始めた・・・