表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コードリンカー  作者: 青葉リト
帝王の雛
9/29

帝王の雛 八話

「二対一かよ・・・戦闘初心者とはいえ俺もついてねーな。どうするか・・・」

 お互いに距離をとり、相手の様子を伺う。霧宮にも俺にも遠距離攻撃があるため、迂闊に飛び出すのは愚策だ・・・!

 刹那、その静寂を破るようにして一本の大きな剣がコンクリートの地面に突き刺さる。

 シンプルに装飾された大剣はコンクリートを易々と貫き、辺りに破片を散乱させ、俺たちの意識を一瞬にして集中させた。

「なんだ!?」

 路地に若い青年の声が響く。

「ここだったか・・・。ようやく見つけた」

 脇の家の屋根の上に人影が見える。その人物は大剣の前に軽く飛び降りると、剣を引き抜いて霧宮の方へ剣先を向けた。

「おっと、さすがに三対一なんて受けるつもりはないぜ。じゃあな!」

 霧宮の指示でジャックランタンが煙を吹き出し、路地は何も見えなくなる。

「ゴホッ・・・待て・・・!」

 ・・・数秒後、煙が晴れたときは既に霧宮の姿は消え去っていた。

 残ったのは俺と瑠璃と、謎の青年だった・・・。



 霧宮が居なくなった後も、俺たちは動けなかった。

 突如として現れた謎の青年と大剣に戸惑い、俺も瑠璃もどうしていいかがわからない。

 この人物は敵なのか味方なのか・・・。こちらに敵意が向いている様子は無いが、警戒に越したことはない。

 そもそも何故この異空間にいるのか。青年のセリフから察するに何かを探していたようだが・・・それが何かさえも俺たちには検討もつかない。・・・あまりにも謎が多すぎる。

「・・・アーサー。接続解除リンクアウト

 青年の言葉と共に、手に持っていた大剣が光の粒子となって消え去る。

「君たちには始めまして、だね。僕は白神(しらかみ)雷人(らいと)。そして久しぶり、ホムラ。・・・今度の器はどうだい?」

「おう!久しぶりだな雷人!今回も前回と同じで中々に協力な素質を感じるぜ!」

 ホムラが雷人と名乗った青年に答えた。

「・・・ホムラ、知り合いなのか?」

「お前は本当に何も知らないんだな。親父から何も聞いていないのか?」

「親父は滅多に家に帰ってこないし、殆ど話さなかったから俺は父さんに詳しくないんだ」

 俺も妹も父親については殆ど知らなかった。母さんなら何か知っているのかもしれないが・・・。

「雷人はな、お前の親父の仲間さ」

「父さんの仲間?俺の父さんは何をしていたんだよ」


「お前の親父はな?・・・正義の味方をしてたのさ」

 ・・・本当に意味がわからない。何者なんだよ俺の父さんは!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ