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86]かわいい婆(ばあ)さん

 谷島とめは今年で96になるばあさんだ。近所の皆から、おとめ婆さんと呼ばれ、それはそれは大事にされている。この大事にされている・・というのには、おとめ婆さんの人当たりのよさだけではなく、二つの大きな理由があった。その一は、おとめ婆さんが高齢にもかかわらず、どこから見ても30前後の色年増いろどしまに見えたからだ。いや、それだけではない。溌剌はつらつとした動きといい、衰えを知らない30前後の妖艶ようえんさを維持していた。どこから見ても30前後の年齢に見えたからだ。こわいほどの若さに、厚生労働省から派遣はけんされた不老不死を研究する研究所員が態々(わざわざ)、調査とインタビューに来訪したくらいだった。その二は、おとめ婆さんが超美人だという点だ。世界に美女は多数、存在するが、おとめ婆さんはその比ではなく、絶世の美女といってもよかった。考えてもみてもらいたい。96で世界のミス・ユニバースに選ばれ、トロフィー片手に微笑ほほえむかわいい婆さんが、かつてこの世に存在しただろうか。それが厳然と存在するおとめ婆さんなのである。怖い話である。いや、怖さを通り越して、科学を否定する信じ難いおそろしい話だった。

 そのかわいいおとめ婆さんが恋をした。相手は小学校に通う六年生の新川基也だ。八年後、二人は相思相愛となり、めでたく結婚した。二人の年齢と年齢差は計算してもらいたい。お目出度めでたい話だが、怖い話でもある。


                  完

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