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62]チラつく星

 そろそろ秋か…と田上は思った。日没が早まり、すでに空には星がまたたいている。半月ばかり前は昼の明るさだった。そう思えば、田上に日没の早まりをはっきりと感じさせるのだった。同じ時間に家を出ていつもジョギングで通る道だったから特にそう感じられるということもあった。

 田上が歩みを止めひと息ついたとき、夕空に輝き始めた星の一つが一瞬、輝いたように思えた。まあ、そういうことはよくあると田上は深く考えなかった。さてと…と、田上がふたたび歩み出したときだった。チカッ! とまたきらめいた。このとき田上は初めて、おやっ? と思った。偶然にしろ、動き始めた瞬間と同時に、それも二度ともチカッ! としたからだ。田上は止めた足を、また動かし始めた。すると、またチカッ! と瞬いた。そんな馬鹿な! と田上は自分の目をうたがったが、その後も動けばその動きに合わせるかのようにチカッ! とくる。これは…と田上は巡った。UFOがコンタクトを? いや、そんなSFまがいなことは有り得ない。だとすれば…。田上は背筋が寒くなった。あたりも暗闇に閉ざされようとしていた。ジョギング相場ではないと判断した田上は家へ向け一目散に駆けだした。

 なんのことはない。チカッ! としたのは工事ビルの夜間照明灯だった。けたり消したりしていたのは、田上の隣に住む鏡という男である。鉄骨現場で照明担当の鏡は田上がいつもこの道を通ることを知っていて、挨拶のつもりで合図を送っていたのだ。

「なんだよ…変な人だ」

 駆け出した田上を遠目で見下ろす鏡のひと言である。


                   完

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