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28]アウトな夜

 寝苦しい熱帯夜となったある夏の日、若鳥わかどりは生ビールを飲みながら、寝られないひとときを過ごしていた。録画しておいたプロ野球を観ていると、応援チームと相手チームが、きわどい接戦になっていた。最初は、ふ~ん、そうか…と、ビールをグビッ! とやりながら、無関心で鳥の串カツをほお張っていた若鳥だったが、回が進むごとに次第にボルテージが上がってきた。審判が出したアウトのジャッジに若鳥は、ぶち切れた。画面では監督もぶち切れ、マウンドへ飛び出していた。

「馬鹿野郎! なにがアウトだっ! …そらそうだ! 監督、いけいけっ!」

 しばらく画面では審判と監督の、あ~でもない、こ~でもない論争が続いたが、やがて終息し、監督は不承不承ふしょうぶしょうダッグアウトへ引き揚げた。おさまらないのは若鳥である。酔いも手伝い、「ミスジャッジだっ!」と叫びながらフラフラと立ち上がった。そのときだった。若鳥は目眩めまいがした。

 気づくと、応援チームのユニホームを着て審判に抗議している自分がいた。若鳥は監督だった。見馴れた応援するチームや相手チ-ムの選手がいた。審判は「退場!」と処分を与えた。若鳥は、怒りながらダッグアウトへ引き上げようとした。そのとき、また目眩が若鳥をおそった。

  ふたたび気づくと、若鳥は部屋の机に突っして寝ていた。若鳥の前にはすでに録画再生が終わったテレビ画面があった。

「アウト! あなた、もう…」

 妻の優子が出てきて、食器とジョッキを片づけながら若鳥にアウト宣告をした。


                  完

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