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『とあるサンタと召喚大戦』――その3――



さつさて。いよいよ本詰めにさしかかる前回に続き

になる今回は。



もうあの巨大エビ相手に部長事マリオンが容赦無しにぶつかります!


更に以外な展開に巻き込まれた響は?



そんな訳でっ


『サンタ×オカルト部』



マンジロウ「わっさ…わっさ」←(注:始まるよと言ってる)

 



「へ〜え…カレン。召喚魔術とは知らない内に随分と成長したもんだね。私もうれしいよ――でもさ。ちとやり方がね。詰めが甘いんかなぁ。 肝心な主が召喚側に乗っ取られるとはねっ!」



 周りを騒めく雑音の中に一際目立つオクターブ高い声が耳に突き刺さる。俺が現在居る斜め後方で部長事マリオンさんが、身震いしながら張り上げている姿が確認出来る。

 左右に四本づつ、計八本の水柱が杖を振りかざすマリオンさんの背後から天高く突き上げているようだ。 そこから生き物のようにうねり始めた水柱が巨大エビを巻き込む。

 数十トンにもなる巨体をまるで玩具か何かのように遥か上方に突き飛ばす。



 まったく、マリオンさんが最も得意な水系魔術って奴は軽くこんな巨大エビすらも一捻りするのかよ。こんな芸当もこなしてしまう本物の魔術を見せ付けられた俺は。やはり――マリオンさんに憧れを抱くのは当たり前なんだけどね。


「さて。成長した後輩にこの術式の仕上げを披露させてあげないとねっ」



「留めだよっ! ――我が水を司る精霊達よ。その罪なる者に巣くう悪しき呪縛から解き放ち解放せよっ!『Tridentーcutter(水の虚撃戦)』ぅぃぃぃぃいいっ!」


 最後の詠唱が終了する。下方で展開するこれまたドデカイ魔法陣の中央から巨大過ぎる水の拳が轟音を響かせ噴き出す。

 容赦無く空中でバランスを崩すエビに向けて最大排水量2000トンもの拳が殴りつけるとんでもな必殺技を見せ付けられる。



「おいおいっ! ちと待てよマリオン。いくらなんでもやりすぎだぜ! あんな姿をしててもあいつ。カレンなんだぜ!」



「ん? なんだよバカ光雄っ。私は(うつつ)に召喚した魔物がこれ以上カレンの心を蝕わないようにしただけだよっ」



「んな事言っても」



「そんなに文句言いたげなら光雄がこの役を変わってよ。ったく、これでも手加減したんだけどな」



 なんつーか俺の背後に居る光雄先輩がマリオンさんに噛み付くのは当たり前のようで。

 必死にこれ以上やめろと光雄先輩が言ってる側から次々と、破壊力抜群の攻撃魔術をかりにも巨大エビとはいえ、可愛い後輩であるカレンに向けるって。



 まぁ、こんな巨大な獲物を前にしてあの普段から攻撃的な戦闘狂(バトルジャンキー)なマリオンさんの性格は分からない事も無いんだけどねぇ〜。



「さあさあさあっ! カレン。ここまで騒ぎ起こしたんだからさぁ〜。その付けをあなたと響で払ってもらうんだからねっ!」



 えっ? なにっ? マリオン先輩はたしか――カレンに付けを払うとかって。まさか俺もか?

 うん。気のせい気のせい、只の聞き間違えかと。

その一言の意味を理解した俺は目の前に蹲るマンジロウの胸の中央に向け右手を伸ばし、五本の指先に力を込めて集中する。

 カレンがしでかした事、そして今現在目の前にうつむせになりしゃがみこむマンジロウの着ぐるみの姿を形どるサンタ。

 彼の胸から心の中――そこの奥底に侵入し、そこから今現在混沌するカレンの心を救い出す事。

 この俺だけが持つ人の夢、その夢の中に入り込める能力での仕上げでのつけだろう。



 俺の得意体質の能力を発動させる為に右手にもっと強い力を込める。

 マンジロウの胸元付近から渦巻く"ナニカ"が見える。

 着ぐるみ特有のフカフカする感触にしてはスベスベの感触が右手に伝わる。後もう少しで彼の内部に侵入出来そうだ。

 しかしその侵入感とは裏腹に、やんわりとした暖かな感触が俺の右手に感じられる? あれ? それを確かめる為に数回握り直し…てっ?



っつーかなんじゃこりゃ。マンジロウの胸にしちゃ〜"柔らかすぎ"ないかこれ? まるで右手からみ…ぎ


「なぁぁぁっ!」



 何故か伸ばした右手がいつのまにかヤバゲな場所にエスコートされている。

 突如俺の真正面に姿をあらわしたマリオン部長。既に遥か先にあの巨大エビ事。カレンを吹き飛ばし湖畔が台風のように荒れ狂っている。



 ぐずぐずして能力を発動させない俺に心配していち早く駆け付けてくれたのだろうか。



 そんなアホ臭い思考が一瞬で停止する。その代わり"恐怖"と言う二文字が俺の脳裏にぐるぐると這いつくばる。



 冷や汗混じりの表情で弁解する暇を与えてくれず、 今まさに彼女にとって可愛い後輩な? 俺に向けて必殺の大魔術を僅か数秒の誤差で容赦なしで組み上げるマリオンさん。

 マジで死ぬから、そんなチート魔術なんかをゼロキロ射撃で食らったら――

 


「あのなぁ〜バカ光雄ならともかく。こらっ! 響っ!」



「ひっ? ひゃいっ!」



 ていうかそんな震える程怒らないで下さいよぅ〜! 只の事故ですっ。間違いですって!

 いつの間にか近くに居た筈の副部長事光雄さんの姿が無いのに気付く。 しかも近くに居たはずの哲也までも気が付けば遥か先にピンク頭と共に避難しているじゃ〜ないですかっ!


「なんで俺だけですかぁぁ〜!」



 そんな俺の悲痛な心の叫びを聞いたのか聞かなかったのか分からないまま足元から何かしらが崩れ落ちる音と共に蒼白い光につつまれながら俺の意識は闇に落ちたのだ――



―――――――――




―――――――




―――――




――



 ――あれ?…たしか。ここは。

 遠退く意識が再び覚醒する中俺の懐を軽い吐息が擽る。

 ほのかな何処かで知ってる懐かしい香りが俺の鼻を優しく撫でる。

 朦朧とする意識の中背中から感じる冷んやりとする感触を確かめながら未だ自分がどのような状況なのか五感に入る僅かな情報を便りに思考を整理する。



 冷たい機械的な感触と今現在俺の懐に潜り込む暖かな感触。

 ――そして。



「うみゅ〜…もうアタイこれ以上食べられないよぅ」


 といういかにもテンプレ過ぎる知り合いの――知り合い……



「のわぁぁっ!?」



「ふにっ? ここは? つか何でアタイ。こんな狭っくるしい――」



「――あの」



「ひぃぃびぃぃぃきぃぃぃ! アタイに抱きつくとはいい度胸だわよね!」



 瞬間超特大なビンタが俺を襲い。今現在一体どんな場所で、そしてどのようにして居るのかを一瞬で分からしてくれた。

 そう――目の前にある計器類に叩きつけられ、更に狭い何かしらのコクピット内に何故かカレンと居る事。このサンタと言う名の夢内に侵入していた事を。



 更に、先程カレン自身だった筈のマリオンが倒した巨大なエビが目の前に広がる街を破壊している様子がコクピットの前方に設置された画像から見える。

 そう。この別世界で本来のパートナーであるカレンと共に。本当の俺達の戦いが始まる。



 更に無理矢理だが

次回へ続く。







 〜後書きコーナー〜



光雄「………」



マリオン「ん? なんだよ!」



光雄「いや。いくらなんでもエビがww」



響「はい。これはれっきとした"いじめ"ですね」



カレン「そうですわよ! 生きたまま尻尾を契られ。切り刻まれ。挙句の果てには」


マリオン「ふぅ〜ん? みんなしてそんな事を言うんだ。ねえねえだったら食卓に並ぶ豚さんや牛さんはどうなんだよ」



マリオン「死にたくないのに殺されちゃうんだよ! 鳥さんなんかほらっ――生きたまま吊されベルトコンベアに…」



哲也「ひっ? 俺はいやだっ死にたくないぃぃぃ!!」



響「そうか。鳥さんな哲也は。なぁ先輩方哲也を助けてあげて」



マリオン「うんっ! 大丈夫だよっ。このマリオンさまが目の黒い内は」



光雄「いや…それとこれとはwwつーか何故哲也が(汗)"突っ込み所"満載なんだが」



    ◇◆




哲也「そんな訳でっ! 次回っこの俺が大活躍?」



カレン「黙れ"鳥"…あんま喧しいと焼き鳥にするわよ」



響「カレン〜。人の事言えんのか? そーゆうあんたは"エビ"?」



カレン「ピキッ!!!!」




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