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『その依頼はサンタですかっ!?』



はい。この話は、なろう内『サンタ支援機構企画』に基づきまして。



かつてこのサイトに記載しました別作者様の主役と我らがバカ魔術師マリオンとのコラボ作品を。魔改造っ!


そしてとんでもなオリジナル話を造りお送りします。


そんな私でっ!



『サンタ×オカルト部』

マリオン「始まるよっ」




 



 千葉県舞浜駅の上り線ホームに設置してある自動販売機をベージュのコートの両ポケットにかじかんだ手を入れ、じっと一点を眺める少年の姿が映る。



 その彼の前を行き交う人々の会話が耳に触る。大好きな親に連れられご機嫌にはしゃぎ会う子供達やその他の学生達と。皆が口を揃え。ある重要なワードを口ずさむ。


 その人混みの騒めきに混じり。この時期ならではのバラードのメロディーが風に乗り微かに響く。



 そう――今日は子供達を含め。大人達や恋人達にとっての特別な日なのだから。



 爽やかな日差しの中ホームの外側から流れる微風に、耳元まで程よく伸ばした黒髪がサラリと揺れる。



 暖かな天気とは裏腹に1人の少年は、目の前を通過する恋人達を横目にワシャリと独自の髪をかきむしる。渋々とベージュのコートのポケットをまさぐる。

 そして、左手に持つ1枚の丸めたある用紙を今度は両手で器用に広げて行く。



「(何々? 今回のオカルト部の依頼は、この遊園地に出没する霊を排除…って。なにこの汚ったね〜文字は…"光雄"先輩めっ。誤字だらけで全然読めねっつの!)」



「(で? うぅ〜…その為不本意だが"部長"と…ぶちょうと…でっ…ででデートすべし?)」



 広げていた用紙をクシャリと丸め、自販機に設置してある空き缶入れに投げ捨てた。

 何とも消化不良気味に販売機越しに映り込む自分の姿をじっと見つめる。

 杉原(すぎは)(ひびき)は自身の前に設置されている販売機に映し出された自分の姿になにげなく言い聞かせるのだ。



「(ったく、部長とデートってもなぁ〜…それに俺、アイツとのデートになに胸をときめかせるんだ。 アイツには光雄っつー大切な彼氏が居るだろうし。でもその肝心の光雄先輩自ら…くそっ!!)」



 ――それにアイツ、こんな俺なんかで良かったんだろうか。



 ――このまま俺がアイツとデートして、アイツの彼氏。光雄先輩はそれでいいのか?



 ――くっ! ったくよ。なさけねぇな。胸の傷が疼くぜったく…出来ればこのまま…



 ――アイツにこの気持ちを。この苦しみを。



「(ちっ。バッカじゃねぇぇの? 俺らしくもねぇ。只の依頼。偶々今回は光雄先輩の都合が悪いだけ。

そうさ、これも只のお仕事だから――)」



 しかし、響の思考とは裏腹に、ホームに到着した電車の出入口から他の乗客に混じり下車をするある1人の少女によって停止させられた。




    ◇◆




「――あっ! ごめんねっ。待ち合わせに間に合うように来たつもりだったんだけど…待たせちゃったみたいだねっ」



「――え?」



「ん? どしたの? もしかして何処か具合でも悪いの? だったら別に無理してまで付き合わなくてもいいよっ」



 今現在この自動販売機越しに映り込む響の隣りには、こんな冴えない彼にとってとても眩し過ぎる位不具合な。

 サラリとした水色ショートの髪を揺らす、異国の少女が可愛らしく微笑みながら立っていた――



「あのっ。今回の事は部長…いや"マリオンさん"は本当に大丈夫なんすか?」



「はれっ? 大丈夫ってなんだよ」



「あ〜。かりにもマリオンさんが…あの。ええっと。かっ…かかかかれっぐえ! 舌がぁww」



「わわっ、ちょっとなにやってんだよぅ。ほらっ見せて!」



「いい。いいすよ、マリオンさぐぇぇ! だっ。大丈夫だか――」



「血が出てるじゃないっ。ほらっ、いいから私に見・せ・な・さ・いっ!」



 マリオンは、大丈夫と嫌がる響きに厳しく言い聞かせる。

 とりあえず辺りを見回し適当なベンチを見つけ、白いコートの懐から青いハンカチを素早く取り出す。

 そして響の舌を優しくあてがいながらそっと自身の膝の上に寝かす。



 膝の上に寝かされた響の黒髪をサラリと1なでし、優しく唄を詠唱し始めるのだ。



 ――治療魔術。その単語はこの現代社会に置いて医学的に全く立証されていない単語であり。又彼女が唱える魔術事態もこの現代の世界に置いてはまったくもって過去の産物に過ぎないのである。

 しかしごく少数の彼女を含む魔術師と呼ばれる者達は、(いにしえ)から続く特別な儀式や技術を現在まで受け継いでいるのである。



「うぅ…ごめんなさい。わざわざ部長に無駄に魔法を使わせちゃう俺って、ほんっとかっこつかないぜ」



「ううんっ。そんな事無いと思うよ。さっきもそうだけど、杉原はさぁ。人を気遣うその優しい気持ちがあるのは十分立派だよ」



「あっはは違うな。俺はそんな部長…いや、マリオンさんの優しさに触れたからかな? それにさぁ俺。いつも結局マリオンさんに助けられ。役に立たずだしな…」



「うぅん。でもこうしてあなたを私達のオカルト部へスカウトしたのも私の責任だしね。それに杉原っ! あなたには魔術師としての素質があると思うんだよ。光雄だって認めてるんだよっ! だから先輩の私達に遠慮しないっ!」



 その一言を告げながらマリオンは誇らしげに2言目には告げられる人物名が響の心の奥に。まるでガラス細工のように痛く突き刺さる。

 いくら彼が努力して魔術を会得しようが決して揺るがない壁を目の前に優しげに微笑む彼女に感じていた。

 ――そう。光雄と言う名の彼女との決して揺るがない壁の存在を。



「(ったくさぁ…惚れちまったもんは仕方ねえけどよ…くそっ!)」



 そのマイナス思考を断ち切るようにマリオンは元気よく次の一言を彼に告げる。



「えっ?」



「ほらぁ〜…なぁ〜にを又々考え込んでいるんだよっ。治療の術式終わりっ! ほらっ杉原。出発するよっ」



「んな! もう終わり?」



「ふぅ〜ん? まだこうしていたかったんだ…えっち」



「うわわわわっ! ちち違いますからっ。俺は只…ええっと」



「さあしゃんとしてっ! この施設内に出没する"サンタ"を装う魔術師退治が目的なんだからねっ!」



 そう…響達の本来の目的をサラリと告げるマリオン。本来子供達に夢や希望を与える存在の伝説の人物。 サンタクロース…しかしその姿を装い逆に子供達に悪戯する悪い輩が出没するというあり得ないような噂がここ数年後を立たないのである。

 そしてとうとう噂のサンタを退治してくれと告げる依頼が響達が属するここ桜の丘高校オカルト部に転がり込む。

 事実上あらゆる都市伝説やその他を解決して来た事や実績が遂に実り、役場を通じて生徒会から依頼が来たのである。



「さてっと…その悪い魔術師をちゃちゃっとふんずかまえて私達オカルト部の株をもっと轟かせるんだからねっ」



 光雄は次に奴が出没しそうな箇所を事前に調べ。今回の仕事人である響に初陣を飾る為の段取りを組む。そして彼の護衛にマリオンを付けるのだが。



 響きは仕事云々よりも彼女と2人で行くこのテーマパークの事で頭はいっぱいなのである。



「(ったく。何が"デート"を装いだってんだ光雄先輩め! しっかしマリオンさんもマリオンさんだよな。ちっ! そんなに可愛らしく笑うなよな。俺、その――マジで本気になっちまうだろうがっ)」



 先程前のマリオンの身体からほのかに香る独自の香水と、後頭部に未だ残る柔らかな感触から解放された響は、先輩である彼女に手を引っ張られるように足速に駅に設置された自動改札機を潜り抜ける。

 眼前に広がる巨大なアミューズメント。"マンジロウランド"と呼ばれるおとぎの国へ呑まれるように消えて行った。




 更に無理矢理だが

次回へ続くっ!



 〜後書きコーナー〜



響「はいはいみなさん遂に始まっちゃいましたこの企画。短編は無理と言う事で連載物になったんですが」

光雄「……」


響「あの〜副部長?聞いてます?」


光雄「すぅ〜…すぴ〜」


響「うっげww本番だっつのにこの人寝てるし」


マリオン「ふぅ〜ん? ねえねえ杉原。こういう時はねぇ〜」


響「えっ? ちちちょっと部長っ! なにしてんですか!」


マリオン「こうするんだよっ!!」


どげしっ「ぶろぁ!!?」


光雄「ありっ? ここはっ?」キョロキョロ。


マリオン「ほらっ。面白いでしょ?」


どかっ!「へぶっ?」


光雄「なんじゃ一体」キョロキョロ。


マリオン「キャハッ! ほらほら杉原もっ」


響「いえ…(汗)」




    ◆◇




響「まぁ正直この2人にはぶっちゃけこの企画の先に記載する本編でも大丈夫か悩みの種なんすけどね〜」


響「ではっ次回で(汗)」




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