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Arkadia World Online   作者: 照山
序章 始まりの国と運命の炎
6/6

序章第1幕 Arkadiaの世界へようこそ Ⅱ

投稿がかなり遅れてしまい申し訳ございません

AWO時間13:00 日本エリア・東京都新宿区 東京都庁前


「設定で、案内人招集っと。アマネ!」


『はい、どうされましたか?』


「このAWO Time 13:00っていうのは、この世界の時間のこと?」


『はい。AWO Timeは現実世界とリンクしており、現実世界の時間と完全に同期しています』


「やっぱりそうなんだ……」


ナツナは空を見上げた。高層ビルの隙間から差し込む日差しは、現実とまったく同じ角度だった。


『現実で昼の12時を迎えれば、アルワでも同様に太陽が真上に昇ります。夕方には空が茜色に染まり、夜には星空が広がります』


「へぇ……ちゃんと時間で景色も変わるんだ」


『さらに本作には時差システムが存在します。例えばアメリカエリアへ移動した場合、約-13時間の時差を体験することが可能です』


「え、海外行くと時間ズレるの!?」


『はい。この仕様により、プレイヤーは現実の生活リズムに近い形で冒険を楽しむことができます』


アマネの説明は続く。


『また、時間帯によってモンスターの強さも変化します。朝は比較的穏やかですが、夜間は危険度が上昇します』


「夜の方が難しくなるってことね……ゲーム廃人に私からしたら面白そう」


『加えて天候も現実と連動しています。雨天時には降雨、強風時には環境変化が発生し、戦闘や探索に影響を与えます』


「ほんとに現実みたいな世界なんだ……」


ナツナは軽く息をついた。その時、ほんの一瞬だけ、視界右上の時刻表示が微かに揺れた気がした。


『以上で説明を終了します。何か質問はありますか?』


「……あ、ううん!大丈夫!ありがとう!」


『それではまた何かありましたらお呼びください』


ナツナはアマネの説明を聞き終え、この世界が現実の時間や天候とリンクしていることに、改めて感心した。


「すごいなぁ……ここまで再現するんだ」


そう呟きながら前を見ると、都庁が目の前にそびえ立っていた。


「マップ契約所は最上階か……エレベーターで行こうかな」


ナツナは迷うことなく、その中へと足を踏み入れた。都庁の中に入ると現実と全く変わらない内装が広がっていた。まだナツナはリアルで都庁に入ったことはないが写真やニュースで見たのと変わらないことに気づいた。そうこうしているうちに展望台エレベーターが目的地に到着した。


「これがマップ契約所か。触れるだけでいいのね」


ナツナはマップ契約所に手を触れるとシステム通知が届いた。


〈システム通知〉


ー南関東エリアのマップが解放されましたー

ーエリア解放に伴い、敵モンスターが登場しましたー

ー運命契約ガチャが解放されましたー

ーマルチプレイが可能となりましたー

ーイベント一覧を解放しましたー

世界奇譚サブストーリーが解放されましたー

ー常設「秘儀の摩天楼」が登場しましたー


「一気に解放された!やり込み要素があっていいなぁ」


次々と表示される通知に、ナツナは思わず目を見開いた。視界右上にガチャ、イベント、任務一覧、所持品を示すアイコンが表示された。


「さて、次は宇都宮のマップ契約所に行こうかな!途中で敵モンスターいたら倒そう!」


その後、エレベーターを降りたナツナは、そのまま都庁を後にした。外に出ると、現実と変わらない新宿の街並みが広がっている。人の姿こそないが、信号は規則正しく切り替わり、NPCの車も一定の間隔で走っていた。


「ここまで再現するのすごいな……」


ナツナは軽く周囲を見渡しながら、マップを開いた。


「えっと……宇都宮は……」


北関東エリアの契約所は目的地は宇都宮駅改札付近に表示されている。


距離を確認して、ナツナは少し眉をひそめた。現実との距離を反映しているため宇都宮まで100kmと表示されていた。


「……これ歩きは無理でしょ」


すると、マップ上に鉄道路線の表示が浮かび上がる。


「電車、使えるんだ。よし、電車で行こう」


新宿駅まで歩いて行った。新宿駅の改札口は、現実とほとんど同じ構造だった。だがICカードの代わりに、視界に小さなウィンドウが表示される。


〈乗車料金:1200G〉


「ゲーム内通貨で払う感じね」


ナツナは迷わず決済を選択する。ゲーム開始時に全プレイヤーはゲーム内通貨を5万Gを受け取っている。ゲーム内通貨を増やす方法は任務完了時の報酬、イベントへの参加や敵モンスターの討伐、ショップでの通貨交換が主な通貨獲得手段である。契約石もイベント以外にフィールド内に散らばっている宝箱を開けたり、エリアの探索報酬などでもらえる。


〈1200Gを消費しました〉


軽い電子音と共にゲートが開いた。


「おお、ちゃんと引かれてる」


残高を確認しながらホームへ向かう。電車はすでに停車していた。扉が開いたまま、静かに待っている。


「……誰もいない電車って、ちょっと不思議」


車内に入る。座席、吊り革、窓の景色、すべてが現実そのまま。ナツナ以外はNPCが乗っていた。NPCらはしゃべらないため静寂だけが満ちていた。


「まぁ、ソロ仕様だしね。NPCにも話しかけれないし」


ナツナは窓際の席に腰を下ろした。やがてドアが閉まり、ガタンと小さな振動とともに電車が動き出した。


『この電車は湘南新宿ライン快速 宇都宮行です。目的地到着までに池袋、浦和、大宮、古河に停車します』


流れていく街並み。新宿の高層ビル群が遠ざかり、徐々に景色が変わっていく。


「ほんとに移動してる感じするなぁ……」


ナツナはぼんやりと窓の外を眺めていた。高層ビルが減り、住宅街へ。やがて視界が開け、郊外の景色へと変わっていく。


「ちゃんと街ごとに雰囲気違うんだ……」


ガタン、ゴトンと規則正しい振動。レールの継ぎ目を通過する感覚まで、現実そのまま。車内のNPCたちも、よく見ればわずかに体重移動したり、つり革が揺れるタイミングに合わせて姿勢を変えている。


「細か……ここまで再現するんだ」


誰かがスマホを見ている仕草、窓の外に視線を向ける動き。“会話がない”以外は、完全に日常の通勤電車だった。


「これ、普通に寝れそう」


ナツナは軽く笑い、シートに体を預ける。


『次は――池袋。池袋です』


アナウンスと同時に電車が減速する。ホームに滑り込む感覚も、ブレーキの音もリアルそのもの。ドアが開くと、NPCが自然に乗り降りしていく。


「おお……ちゃんと動いてる」


人の流れも違和感がない。


まるで現実のワンシーンをそのまま切り取ったようだ。ドアが閉まり、再び発車する。景色はさらに変わっていく。浦和、大宮と進むにつれ、建物の密度が下がり、遠くに広がる空が大きくなっていく。


「ほんとに関東横断してる感じするな……」


しばらくして宇都宮が近くなるアナウンスが耳に入ってきた。


『まもなく宇都宮、宇都宮終点です。お忘れ物ございませんようご注意ください』


「さぁ宇都宮着いたか」


北関東エリアの契約所である宇都宮にナツナはAWO 16:15に到着した。

次回もよろしくお願いします!

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