『須らく この世は地獄 何処までも』

【後編】

警察《けいさつ》は　被害者側《ひがいしゃがわ》を　罵《ののし》りて

張《は》りぼての　相談窓口《そうだんまどぐち》　二次被害《にじひがい》

擁護課《ようごか》は　生活保護者《せいかつほごしゃ》　セクハラす

神《かみ》つくり　救《す》い求《もと》める　どの地《ち》でも

美景《びけい》ゆえ　此処《ここ》が地獄《じごく》と　疑《うたが》えぬ

集団《しゅうだん》で　罪《つみ》を捏造《ねつぞう》　報告《ほうこく》す

繋《つな》がった　いのちの電話《でんわ》　罵詈雑言《ばりぞうごん》

幻覚《げんかく》と　誤診《ごしん》の上《うえ》に　監禁《かんきん》す

閉鎖《へいさ》され　病棟《びょうとう》の中《なか》　無法地化《むほうちか》

絶景《ぜっけい》は　悲劇《ひげき》を隠《かく》す　紛《まが》い物《もの》

悪評《あくひょう》の　虚偽《ぎょぎ》を信《しん》じ　リンチする

各企業《かくきぎょう》　利益重視《りえきじゅうし》で　人軽視《ひとけいし》

ＣＭに　幟看板《のぼりかんばん》　虚構《きょこう》のみ

漁港《ぎょこう》では　死体《したい》の山《やま》が　築《きず》かれる

瞬《またたく》く間《ま》　幾億《いくおく》という　命散《いのちち》る

善《ぜん》は勝《か》つ　幼《おさな》き暗示《あんじ》　覚《さ》める現実《いま》

教育課《きょういくか》　イジメを罰《ばっ》し　パワハラす

地獄《じごく》へと　生《う》み堕《お》とされた　赤子《あかご》泣《な》く

寄付《きふ》誇《ほこ》り　貧者《ひんじゃ》嘲《あざけ》る　老社長《ろうしゃちょう》

発狂《はっきょう》を　薬《くすり》で抑《おさ》えて　仕事《しごと》する

救助者《きゅうじょしゃ》を　指差《ゆびさ》し嗤《わら》う　親戚《しんせき》ら

差《さ》し出《だ》す手《て》　取《と》れば虐待《ぎゃくたい》　始《はじ》まって

裁《さば》かれぬ　悪党《あくとう》ばかりが　闊歩《かっぽ》する

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