手紙
「こんばんは。今日は、しぶんぎ座流星群が極大となる日ですね。夜空を見上げれば、流星雨と化した流れ星が……ああ。
なんて、気持ち、悪い。
まるであの日の夜を、思い出してしまいます。
私があなたに分からせられてしまった、あの日のことを。
はあ。
……今、生唾を飲みこみました?
まあ。
それは別にいいんですけどね(笑)
あのとき、私たちが出会ったバーには、毎晩危険な出会いを求めるお客さんでいっぱいになり、つい先日、暴動が起きました。
まだ現役でハニートラップを仕掛けていた私は暴徒と化した複数の男性に、乱暴を。
……って言ったら、まだあなたは信じますか?(笑)
でも。
暴動が起こったのは本当ですよ?
嘘だと思うのでしたら、実際にバーを訪れてみてください。
そこで真実が分かりますから。
ふう。
笑笑笑。
そもそも私がしたことすべて、私に興味を持ったあなたが願ったこと。
私はあなたの願いを叶えるために、ちょっとあなた好みのガールを演じた、ただそれだけ。
それに、何度も言いましたよね?
こう見えて、私は暇なんです!
はい、嘘です(笑笑)
あなたと出会う前ならまだしも、今は暇なはず、あるわけないじゃないですか(真顔)
ずっと。
ずっと、私は。
この醜い世界でつまらなさそうに生きるあなたを、どうにかしてでも面白くさせようと、人生で一番躍起になっているのですから(泣)
今度こそ、あなたにとって酷くつまらない世界を、私の手で面白い世界に再構築してみせます。
だから、どうかそのときを楽しみにして待っていてください。
また私と。
遊んで、ください、ね」