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リンク6 混沌の魔女の使いとエネルギーの精の試練③

ケンカの理由なんてたいしたことがなかったりするけど、

常にイライラしているこの若者にとって、

口喧嘩で思い切り発散できる相手ができてよかったです。

「この試練は罪を犯した『こまっている人』を助けるようね」


 ローズは優雅に羽ばたくとチズの肩にとまる。


「なんで罪人なんか助けなきゃいけないんだよ!」

「このぬすみって償った証?」

「えい!」

「石を投げつけちゃだめだよ、ホウ。あとどなるのも」


「「「おまえはどっちの味方だ!」」」


「あら、またお世話になったわね」

「どういたしまして」


(ローズの声ってすごく懐かしいと思うんだよな)


「次はいやしの巫女像だ、ボケッとしてんなチズ」


 いやしの巫女像は、かつて神に仕えた傷や心をいやす巫女の像だ。巫女像につくと、その陰で物音がして後ろを見るとケンカをしていた。とめに入ろうとすると、最後の一撃がくりだされた。殴った相手は気が済んだらしくみんなの広場へ去っていった。コンパスが傷を治して、ホウが事情をきく。ホウは理不尽な理由で殴ったなら相手をぶっ飛ばすつもりだ、彼は正義感が強い(チズを除く)。


 殴られた人たちは貴族の子息たちで殴ったものも同じ身分、ここに呼び出されたらしい。なにかの腹いせではないかと一人の貴族の子息がいう。彼によると、あの心の荒れた若者はナッグルスといい、ちょっと気に食わないことがあるとすぐに八つ当たりをする。


「やっぱり理不尽な暴力じゃないか、ひとっ走りして殴ってくる」

「やっちゃおう」

「俺が許す」

「殴った理由を聞きにいこうよ」


「「「話聞いてたか!」」」


「ううう、だって、気に食わないことがあったんでしょ?」


 おおきなため息をついたあとにホウ・レン・ソウはいくぞっ、といいみんなの広場へとむかった。


「お前って本当悪いやつの肩持つよな、チズ」

 

 ホウはなにか嫌なことを思い出しているようだ。


「でも、助けたいんだ」


 チズは大切な思い出のことを考えるように。


 ナッグルスを追ってみんなの広場についた。ナッグルスは足が速くて見失た。ナッグルスからは酒の匂いがしたとホウはいい、酔っ払ってやったのだという。ならば、いまごろは吐いているかもしれない。ほどなく、ナッグルスは見つかった。


 ホウが腕をつかむと振りほどこうとする。なぜ殴ったのかとチズがきくと殴りたかったから殴っただけだと答える。それに対しホウは、ほら、やっぱりろくでなしだッと吐き捨てる。それに対し、ナッグルス突然立ち上がり言い返す。


「なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ!」

「っだってその通りだろ、理由もなく殴るんだから」

「むしゃくしゃしてたんだよ」

「犯罪者のよく言う理由じゃん」


 ずっとホウとナッグルスは言い争っている。しばらく続き、疲れてきてふたりが少しおとなしくなったころにチズはふたりにたっぷりはいった水を渡した。ナッグルスはありがとよといいごくごくと水を飲む。


「ぷは~、生き返るぜ」

「チズのくせに気が利くな」

「吐き出せるだけ吐き出したら、スッキリしたぜ」

「イライラしたときは俺にいいな、ボロカスに言い負かしてやる」

「いいぜ、ケンカも口ゲンカも大好きだ!」

「じゃ、あやまりにいこうか?」

「仕方ねえ、水の礼だ」


 七人はいやしの巫女像にもどって、びくびくする貴族の子息たちに、いいから、俺一人であやまるから、とナッグルスはいいあやまった。顔を見合わせていた五人の貴族の子息たちはぷっとふきだす。なんか文句あんのか、いや悪いというナッグルスにいいよ、これからはもう殴らないって約束するならなっと手を差し出す。きょとんとしているナッグルスに、


「仲直りの握手だ」

「そ、そうか仲直りしたことないからよ」


 がっちりと握手をかわすふたりの手が光りだす。白い球があらわれる。なぐると模様がついていた。相変わらずぶっそうだ。これで二つ目はの証だ。


「仲直りの証にでてくるんだね。証」



のどの渇きをたっぷりの水で潤したところで、

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