リンク5 混沌の魔女の使いとエネルギーの精の試練②
困っている人の話のきっかけから、
タビ―は何故盗みを働いたのか話します。
そして、ぼくも失敗ばかりだと言って、
お互いの失敗を笑い、助け合うと約束します。
「みんな、足元を見るんだ!」
足元のブロックには模様がついていた。しかもその模様はまた変わった。立ち止まっているとワープしないという仕組みのようだ。みんなの広場の入り口の真ん中にある。みんなの広場の入り口には模様がついていた。そして、他の六ケ所にも。まとめてみると、
『みんなの広場』犬
『いやしの巫女像』白鳥
『みそぎの湖』かえる
『勇者の庭』ライオン
『くすり猫のねどこ』猫
『日差しが丘』すずめ
『神官の間』ふくろう
上手く利用すると目的地に早くつくかも? 犬に模様が変わってから六人は移動した。
「こまっている人を探さなきゃ」
広場にはおいしそうなお菓子が売っていた。ソウはみんな(チズ含め)に一個づつ買った。
「わあ、熱々だね」
「食べないで~」
お菓子が話しだした。このお菓子がこまっている人(?)なんだろうか。話をきくと、
「ちょっと、店のお菓子をつまみ食いしただけで魔法使いのやろう、おれをこんな姿にしやがって」
「お金も払わずに商品を食べちゃだめだよぉ」
「見捨てよう」
「食べちゃおう」
「助けてあげよう」
「「「勝手に決めるな!」」」
お店の主人にどうしたら元の姿にもどしてもらえるかきいてみた。すると、
「そいつはニ十個も商品を食ったんだぞ。その分きっちり働いてもらうからな」
「なにをしたらいいの?」
「いま、十人のお客さまから注文が入ってる。それを届けてくれないか?」
「よしきた」
「十人か」
「四人で手分けして届けよう」
「わ、わたしも手伝う」
「フフフ、簡単じゃないでしょ?」
みんなの広場の中だけではなかった。ブロックをうまく使い五人は注文の品を運ぶことにした。チズは勇気の庭担当、ホウはいやしの巫女担当、レンは日差しが丘担当、ソウはくすり猫のねどこ担当、コンパスはみんなの広場担当だ。
チズは勇気の庭で庭掃除をしているふたりに注文の品をわたす。日差しのあたたかな庭はきれいに片付いてすがすがしい。チズがお仕事お疲れ様ですと、いうと君もがんばってと返ってきた。それをみてお菓子にかえられた人は、
「おれも働いていたころはこんなやり取りしてたっけ」
「どんなお仕事してたの?」
「宿屋だよ、おおきな失敗をしちまったらやめさせられたんだ」
「ぼくもいっぱい失敗するよ、ホウ・レン・ソウによくいじめられるし」
「ははは、踏んだり蹴ったりだな、お互い」
「今度こまったことがあったら教えて助けてあげる。名前は?」
「おまえがこまったときはおれもたすけてやるよ。タビ―だ」
すると、タビーは元の姿に戻った。名前をきかれて答えると元の姿に戻るらしい。
「さっそく助けられたな」
「お菓子屋さんにあやまりにいこう、いっしょに」
「おう」
ブロックが犬の模様になるのに待ち、ふたりは一歩進む。お菓子屋の前には宅配をおえた四人となにもしていなかったひとりがいた。チズとタビ―の様子を見て、呪いの解けたのをおどろくお菓子屋。なぜなら、
「誰かに『助けてやる』といわないととけない呪い、解けたんだな」
「そんな呪いだったの!?」
「なんていじわるな」
ふたりはお菓子屋にあやまる。タビ―は盗みを働いた理由を正直に話した。仕事をクビになり、食べるものがなくてついしでかしたこと、心があらんでいたから素直にあやまれなかったこと、チズにうちあけてお互いのことを笑ったら、スッキリしてあやまる気になったこと。そこまで話すとすがすがしい気持ちになった。
「……店を閉めたら掃き掃除しろよ」
「へ?」
「仕事ないんだろう? 雇ってやる」
「よかったね、タビー」
「おう! ん?」
つまみ食いした口が光る。開くとポロリと白い球があらわれた。ぬすみと刻印されている。レンがこれが試練をのりこえた証かとつぶやく。すると、
「チズ、俺が助けてやる番だな、ほい」
「タビー、ありがとう」
「この試練は罪を犯した『こまっている人』を助けるようね」
今pixivだとリンク51まで書いていて、
最初はこんなに心のやり取りを大切に書いていたんだと、
気付かされました。
大事ですね、こういうの。
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