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番外編 新庄伊織 この世界に来る!ってやっぱりやりやがったか!!!!!

孤独の棋士の登場人物が、この世界に!?今日は番外編です。

ん?ここは、どこだ?


俺は、プロ棋士、新庄伊織(しんじょういおり)。将棋界の貴族として知られている。クラシックが大好きで、中世ヨーロッパを好んでいる。


それで今、かなり大きな宮廷にいる。アレ?ヨーロッパ旅行中だっけ?

見た目は俺、間違いない。夢じゃない。


「あら?どちら様ですの?」

なんか来た。すげぇ令嬢だ!ドレスが煌びやかだ!


「あ、新庄伊織です。」

素直に伝えた。多分知らんやろなぁと思うが。

「え?新庄伊織…?あのプロ棋士の?」

なんで知ってるの?ここは日本?

「あ、なんで知ってるんですか?ここ日本?」

素直に伝えておいた。ていうか令嬢のお嬢様言葉が消えている。

「えっと、説明すると長くなるのですが、ここはフィレンツェ国、私が改名させて日本帝国となった異世界で、私はヴィラン=スカーレットという悪役令嬢と入れ替わってこの世界に来た川越稜という六本木のサラリーマンなんです。なので、日本にいた時にプロ棋士の先生方の活躍は拝見しておりました。」

その後もこの世界の説明を受けた。なんということだ。異世界に来て同じ世界から来た人と出会い、ここは日本っぽくして言ってると言われ目の前の人は俺の活躍を拝見済!

「とりあえず、元の世界に戻りたいんですけど、どうすれば良いですかね?」

「それはわかりません。私も元の世界に戻りたいです。」

いやいや、俺この世界にいると孤独の棋士はどうなるんだよ。今ちょうどタイトル戦やっとるんだが?今第一局の検討室おるはずなんやが?

「あ、その辺は大丈夫です。関係ない世界線なので、あの世界にこの世界ないんで。」

大丈夫なわけあるかーーーーーーい!!!!!!


とりあえず何故か執事として採用されてしまった。まぁこの世界の雰囲気は好きなので良いんだが、何故馬車が都バスで地名が都内のものばかりなのか違和感の塊である。


「こちらはアリスです。私が川越だと知る人物その1です。その2はヴィランの実の姉、マリーです。その3は遠い所にいる教会の老人です。その人以外は異世界転移したとは思ってないのでご注意ください。」

アリスさんとマリーさんという2人の女の子について教えてもらった。あと老人についても。

正直な話、自分の好きな時代、中世ヨーロッパの人を間近で見られたのは良かった。ただプロ棋士として仕事、対局があるのでどうにかして元の世界に戻りたい。


「やっぱこの世界だとチェスなんですかね?」

ちょっと気になったので聞いてみる。

「元々そうでしたが、私が将棋をこの世界に導入しておきました。今ではブームですよ。」

この世界でも将棋は人気だという。良かった。


「私がこの世界に来た時、確か王棋(おうき)戦挑戦者が河津(かわづ)五段になった所でしたかね…そのあとどうなりました?」

「一応今第一局の途中です。向こうじゃ他のプロ棋士と共に対局見てますよ。」

なんというか目の前の女性だけど男性な人のお陰で自分の心にある程度ゆとりが出てきた。


お昼ご飯を食べる。宮廷のお昼はやっぱり豪華である。目を輝かせてしまったぜ。

その後、執事として働いてみる。意外と楽しいものである。


「夜ですか…」

この世界に来て初めての夜が来た。

「今日はアーサー王子の命でパーティが開かれるので、よろしくです。」

ヴィラン王女として振る舞う川越さんは非常に神々しく見えた。自分と話している時や、アリスさん達と話しているときは本当にサラリーマンの雰囲気が凄いのに、他の人と話す時は令嬢、それも悪役令嬢をしっかり演じてらっしゃる。


「さぁ、踊りましょう?」

さっきまで話していた人とは思えない演技である。多分、演劇得意だろう。


とりあえずパーティに参加してみた。執事として仕事をしながら、他の人の様子も見てみる。やはり中世ヨーロッパである。間違いない。


パーティも終わり、部屋に戻り、一日を振り返る。この世界から戻りたいという川越さんの想い、俺は共感した。いつか川越さんも戻ってきてほしいものである。


アリスさんが部屋に入ってきた。川越さんからプレゼントだという。

「新庄伊織先生へ 5手詰め」

詰将棋のプレゼントである。彼はアマチュアであるから、簡単なものではあったが、とても楽しい思い出となったのは事実である。

「俺からも川越さんにプレゼントしておきます。難しいものですがね」

俺は川越さんに19手詰めの詰将棋を送っておいた。


翌朝、目が覚めるとタイトル戦が行われている会場だった。そう元の世界だった。

夢のような一日、ただ手元にはあの詰将棋があった。

「川越さん、頑張ってください。」


ん?タイトル戦が行われている会場?今何時?あれ?

その時計はまだタイトル戦の日を指していた。


「おい!新庄!起きろ!進展あったぞ!」

プロ棋士で検討室にいる村山慈聖(むらやまじせい)八段の声がする。

「自分、どれだけ寝てました?」

「あ?テメェが疲れたから寝るって言ったのは10分前だろうが、もうこんだけ昼寝したら充分だろ」


10分間の中で、異世界の一日…?

夢のような、夢じゃない、でも夢としか思えない、そんな経験をしたのだった。


「寝ぼけてんのか?そんなんで検討できんのかよ」

「いや、まぁ落ち着くためにクラシックを…」

「それはやめてくれ」

すみません。孤独の棋士のタイトル戦を集中的に書くので、ストックがありません…


今回は番外編ということで新庄をこっちの世界に連れてきました。新庄、村山、河津は孤独の棋士のキャラクターです。現在、タイトルホルダーに主人公河津が挑んでいます。代表作ですので是非ご覧ください。


一日で戻れた新庄伊織となかなか戻れないヴィラン、川越は入れ替わり転移とただの転移の違いがあるようですが…

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