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初期設定はわかりやすい方が良いと誰かが言ってたのを俺は覚えている。でも初期設定忘れてたわ。

ご都合主義が一番!

マリーはスカーレット家から絶縁された。悲しい話である。ヴィランがアーサー王子と結婚した途端、島流しをなかったことにしてヴィランこそスカーレット家の子供としたのだから。結果としてマリーは所持金ゼロで外に追い出されたのである。

スカーレット家はヴィラン王女となったその日から、演説等でヴィランこそスカーレット家の令嬢であると言いふらしている。それだけアーサー王子との結婚は評価される行為なのである。


さて突然ヴィランに代わり島流し、いや絶縁なのでもっと重い処分となったマリーは、所持金ゼロでは東夢の奴隷を救い出せずにいた。そもそも自分の生活すらままならないのである。


「アリス、マリーのところにこれを持っていってくれ。奴隷なんて今の世の中古いもんだぜ」

俺はアリスにマリーの手助けをするように伝えた。アリスはマリーとも顔見知りでとても人柄の良い少女である。まぁ人柄の良さはここまで見ればわかるという人もいるかな。


マリーの所にアリスが向かう。ヴィランからの手紙と言えばマリーは拒絶するだろうし、川越からの手紙と言われても川越?なにそれ美味しいの?ってなるので、アリスからの手紙として送らせた。

「東夢の奴隷を解放する為の資金です。返却の必要はありません。私は島流し直後、ヴィランから絶縁され路頭に迷う生活をしていました。そこで優しい老人に救われ、現在人助けの仕事をしています。マリー様、このお金奴隷解放にお使いくださいませ。なおこの活動はマリー様の活動ですから、私の名前など出さずにマリー様単独の行動として公表してください。」

このカバーストーリーは俺が考えたものである。インターネットのない世界ならこれぐらいのカバーストーリーで通じるものだ。資金についてはアーサー王子のお金である。ドレスを買いたいといえばすぐくれた。好きな人にはとことん甘い王子なのであった。


「川越様、マリー様へ手紙を送りました。」

「ありがとう、やっぱアリスは癒しだな。結婚生活で溜まったストレスもアリスと接していると消えて行く。素晴らしいよ。」

アリスは少し涙ぐんでいた。そんなに嬉しいのか。


さてそんなリラックスできる時間も終わり、また悪役令嬢として接する時間となった。かったるい。

「ヴィランよ、新しいドレスはどんなものだ?」

アーサー王子よ、その質問は愚問だぜ。とはいえ予想はしていたので安いドレスを買っておいた。ドレスなんてどれも同じだろと思うのだが、女性の皆さんがみりゃ違うって言うんだろうなぁ。

「エメラルドグリーンの綺麗な色ですわ。」

エメラルドグリーンって常磐線かよってちょっと思った。六本木でサラリーマンしていると言っても出張で地方へ行くことはある。エメラルドグリーンの常磐線は何度か見ていたのだった。ただこの世界に常磐線なんてないので、誰もわからないネタである。


今日も夜はアーサー王子と2人きりである。うげぇ。頭を撫でるな擦り寄るなお前からみりゃ女かもしれんが、中身はただのサラリーマンだ。やめてくれぇ!


朝になる。シャロンが目覚まし。朝食を食べて今日は会議。日本帝国の町名変更を今日は議題にあげてやる。

「まずプールトゥジュールなんて言いにくいので、六本木に変えましょう。名前の由来はそこに六本の木が生えているからですわ。」

正直書いてて設定を忘れそうになる横文字は片っ端から削除!である。

「わかった。ヴィランは言いやすい名前が好きなんだな!」

ちょろい!ちょろすぎる!どんどんこの国を日本にしてやる!

ついでにプールトゥジュールの近隣の町名も渋谷、青山、赤坂、新橋と変更させた。これは後にこの付近を通る馬車をバス制にして、都バスとして運転するための下準備である。

国民は少し困ったようだったが、すぐに慣れたようだ。フジヤマゲイシャじゃないんだから…

翌日、馬車の定期運行化、名称を都営交通、都バスとすることを要求。ヴィランが言えばこの国は言いなりになる。独裁国家ですかここは。

ただ、隣国の奴隷の件だけは通じない。奴隷なんて現実世界らしくない。いや、現実世界にあってはならないものだ。この世界を変えるには奴隷解放が必要不可欠だ。


馬車が定期運行されるようになり、多くの国民は初乗り210円相当でどこへでも行けるようになった。馬車も二人乗りから十人ほどが乗れるようにアップデートされていた。

運転手も都営交通の自動放送のような放送をするようになった。まだまだ現実世界の都営交通ほど沢山の人を運べるわけではないが、今後車や鉄道の開発にも力を入れるように指示を出しておいたので安心してほしい。


翌日、アーサー王子は北にあるオーラ・ランドへ向かった。当初はヴィランも帯同する予定だったが、あまりにも長い距離の移動であることから体を案じて王子単体となった。まぁ600kmの長旅、新幹線のない世界で行くのは大変なことである。


アーサー王子がいなくなった宮廷はヴィラン、いや俺にとって最高の住まいである。とりあえずアリス以外の使用人にはそれぞれの仕事を与え、アリスと部屋に篭って作戦会議をする。アーサー王子が帰還するのは4日後。それまでに色々なことを考えなければならない…

さてタイトルの現実世界っぽくしていきます。の意味、単に日本っぽくするだけでなく、異世界あるあるの昔ながらの悪き風習も取っ払うことも意味していました。

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