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見慣れた光景だろ?異世界に飛ばされる所なんて

なろう系だよもう。

異世界、現実世界とは違う世界。大体そういう世界は現実世界とは違うとわかるように変な長ったらしい名前だったり、魔法だったり、効果だったり、スキルだったりがあるものだ。


俺、川越稜(かわごえりょう)は東京六本木で働くサラリーマンだ。いつも地下鉄日比谷線で六本木へ行き働いてまた地下鉄日比谷線で家に帰る。そんな日常を過ごしていた。

俺は異世界モノが大嫌いだった。なんでもありの世界。秩序というものがない所も多い。悪役令嬢に王子様、自分の自己満足を見せられるこっちの気持ちになれと常日頃から思っていた。


ある日、目が覚めるとそこは家ではなく謎の教会であった。夢かと一瞬思ったが、そんなことはない。本当の出来事だった。そしてそれと同時にこの世界は異世界だと直感的に感じた。


まず着ている服がおかしい。普段はスーツかパジャマしか着ないのになんだこのお姫様が着ていそうな服は。

次に見た目、異世界転生は大体見た目が変わるが、反射で映る俺の姿はもれなく金髪女性である。夢であってくれ。

さて、ここまで来れば名前も変に長ったらしいものになっているだろうな。


「目が覚めたか、ヴィラン=スカーレット」

謎の老人が話し出す。やっぱりだ。この長ったらしい横文字、何がヴィランだ。俺は悪役令嬢なのか。

「其方は、悪役令嬢としてこの世界に降臨した。」

本当に勘弁してくれ。悪役令嬢なんてやってやれるか。俺は六本木で仕事をしているんだ。こんな世界で異世界生活を送るつもりはない。

「これからプールトゥジュールへ行きなさい。その街で10日後に開かれる舞踏会へ出るのだ。家もそこにある。其方は今から、ヴィオレット・フィレンツェ国のアーサー王子と結婚せよ。」

この言葉を聞いて素直に入ってきた人は天才だ。素晴らしい。神だ。俺は全く入ってこなかった。何度も老人にその設定とやらを言わせて15回目でようやく全部理解した。


悪役令嬢ヴィラン=スカーレットは、ヴィオレット・フィレンツェ国のアーサー王子と舞踏会で出会い結婚する。なんて異世界モノなんだろう。


教会を出て俺は腹を括った。そのヴィオレット・フィレンツェ国を日本にしてやる。現実世界のような街に変えてやる。


異世界モノは作り手の好きなように作られる世界なので、当然話し言葉は日本語である。いくら横文字並べても言葉まで英語とかでやっていたらまず読者がわからなくなる。売れなくなる。そんな世界なら、ヴィランなんとかじゃなくて川越でいいじゃないかとなる。流石に稜と言う名前は女の姿だと違和感があるので、少し弄って稜子(りょうこ)とした。なんてありふれた日本人名なのでしょう。


ヴィオレット・フィレンツェ国、長ったらしいのでフィレンツェとするが、そこへは馬車で向かった。今時馬車なんてイベントでしか見ないぞと思いながらもそれに揺られ3時間。ついに自宅まで辿り着く。

はい。お察しの通り異世界あるあるの洋風建築。自分の家は和が好きな家族の意向で完全日本家屋だったので、違和感しかない。まず部屋に畳がない。パソコンがない。スマホもない。困ったモノだ。ホテルでもこんな電化製品が無い部屋なんてないだろう。フィレンツェは文明が未発達だ!


「初めまして。ヴィラン様」

誰かが声をかける。金髪少女が背後に立っていた。

「私は今日からここで使用人をさせていただくアリスといいます。」

出たよアリス。異世界モノなら大体出てくる(偏見)名前である。

「ヴィラン=スカーレットよ、面倒なのと日本に憧れてるから川越稜子と呼びなさい。」

女の口調は恥ずかしい。あとなんだよ日本に憧れてるから川越と呼べって、こんな主嫌だろうに。何を考えているんだ俺は。

「え、えっと…川越…?」

「そう、川越、川越稜子よ」

「わ、わかりました。」

アリスは完全困惑モード。無理もない。こんな主なのだから。


1人になってボソッと呟いた。なんで孤独の棋士のキャラクターとかにならなかったのかと。あの世界なら千駄ヶ谷が舞台だし、現実世界の物語だから自分もスッと入れたのに。


考えていてもしょうがない。この街を変えていく。日本らしく。

孤独の棋士のばんえつPです。異世界モノが苦手な僕がなんでこんなものを書いているのでしょうか?


それは簡単。異世界を日本っぽくしたらいいと考えついたからです。

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