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マシューと《七つの秘宝》  作者: ブラック・ペッパー
第2章 知恵の果実は近くもあり遠くもある
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第13話 タートル種

 読んでくださりありがとうございます。レッドタートル戦です。


「……つまり魔法で攻撃すれば倒せるんだな? 【火球ファイアボール】!」


 マシューはレッドタートル目掛けて【火球ファイアボール】を発動させた。レッドタートルの動きはかなり遅く回避するまでも無く直撃したのである。だがそれだけで倒せるほど甘いモンスターでは無い。【火球ファイアボール】が直撃してなおレッドタートルはまだ余裕がありそうだ。


「……体力が多いのか? そんなにダメージが与えられた気がしないんだけど」


「いや、あんなものだ。タートル種は基本的に体力が多い。だから倒す時は何度も魔法を当てるのが基本だ。行くよっ【闇弾ダークショット】!」


 そう言うとエルヴィスは【闇弾ダークショット】を発動させた。マシューの【火球ファイアボール】よりも数段早いスピードで飛んでいったそれはやはりレッドタートルが回避するまでもなく直撃し、そして体力が無くなったのかレッドタートルは呻き声を上げて動かなくなった。討伐完了である。


「よし! 討伐完了」


「エルヴィスはさすがだな。討伐には時間がかかると思ったけどすぐに終わったのは間違いなくエルヴィスの【闇弾ダークショット】のおかげだよ」


 マシューがそう褒めるとエルヴィスは照れ笑いを浮かべた。どうやらかなり嬉しかったようである。だがすぐにその表情は引き締まったものに変わった。レッドタートルを討伐して終わりでは無いのだ。


「レッドタートルを回収したら早く奥へ進もう」


「討伐の証はどこになるんだ?」


「甲羅だよ。すぐには採取出来ないからそれもひとまず丸ごと収納袋へ入れておこう」


 そう言われてマシューは動かなくなったレッドタートルを収納袋へ丸ごと入れた。そこそこの量ものを入れているはずだが収納袋は満杯になるような気配すら無い。収納袋が満杯になることはあるのだろうか。マシューは収納袋を手にそんなことを考えていた。


「ここにレッドタートルがいたってことは番人ガーディアンはタートル種なのか?」


「その可能性が高そうだ。……恐らくかなり苦しい戦いになるだろう」


 どうやらエルヴィスには番人ガーディアンとなるモンスターに心当たりがあるようである。レイモンドも図鑑の知識からある程度の当たりはつけており2人とも同じモンスターを思い浮かべているのか無意識に表情を歪めていた。


「……どうしたんだ? 2人とも酷い表情だよ?」


「ん? ……あぁ、大丈夫だよ。ちょっと番人ガーディアンのことを考えていただけさ」


「なるほど、やっぱり番人ガーディアンと言うからには相当厄介なモンスターなんだな。エルヴィスのあの魔法でも厳しいのか?」


「……僕の予想が当たっていれば厳しいだろう。当たって無いことを祈るばかりだね。それじゃあ奥に進もうか」


 3人はレッドタートルがいた場所からさらに奥へ進んだ。次に開けた場所に出た時には何のモンスターもいなかったがその次の開けた場所にはモンスターが待ち受けていたのである。そのモンスターは先程のレッドタートルとよく似ていた。違うところはただひとつ。甲羅の色だけである。


「……ブルータートル⁈」


 相当驚いたのかエルヴィスはかなり大きな声でそう叫んだ。確かに目の前のモンスターは先程のレッドタートルと酷似しておりその甲羅が青いことからブルータートルと考えて間違い無さそうである。それは3人の中で1番モンスターに詳しくないマシューでも分かることなのだが、それならばなぜエルヴィスはそこまで驚いたのだろうか。マシューは不思議そうに首を傾げた。


「ブルータートルはレッドタートルと見た目はよく似てるが防御性能はまるで別のモンスターだよ。このモンスターは魔法攻撃に対してかなりの防御性能を誇る。討伐するにはとにかく力でぶん殴るしか無い」


「へぇ、それなら分かりやすいな」


「待てよ。わざわざ1人で仕掛ける必要は無いだろ?」


 レイモンドのその説明を聞いたマシューはウェイトソードを構えすぐにでも接近を仕掛けようとしていた。が、そもそも3人で攻略している以上1人で攻撃を仕掛けるメリットはそこまで無い。レイモンドはマシューを止めてからエルヴィスの方へ振り返った。それを見てエルヴィスは頷くと杖を前に構えた。


「そうだよ、レイモンドの言う通りだ。ブルータートルはレッドタートルよりも厄介なモンスターだから1人じゃなくて全員で仕掛けよう。僕は魔法しか出来ないから君たちの援護に回るよ。君たちは好きに暴れてくれ」


「了解」


 ブルータートル相手にエルヴィスはどうするのかと思っていたがどうやら援護に回るようである。ならば攻撃を仕掛けるのはマシューとレイモンドの2人の役目。2人は頷くと二手に分かれてブルータートルへ接近を仕掛けた。


 装備の重量から先に到達するのはマシューの方である。こちらに攻撃を仕掛けようと顔を向けているブルータートルの横側に素早く移動すると、ウェイトソードを大きく振りかぶってマシューは青い甲羅目掛けて思い切り振り下ろした。見た目通り硬いその甲羅はウェイトソードを難なく弾いてみせた。


 直接攻撃への防御性能は低いと言えども硬い部分は相応に硬いらしい。狙うならば甲羅以外のやわらかい部分だな。弾かれた勢いを利用して距離をとりながらマシューはそんなことを考えていた。そんなマシューに狙って魔法を発動させようとブルータートルは大きな口を開けた。



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