表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシューと《七つの秘宝》  作者: ブラック・ペッパー
序章 終わりと始まり
4/234

第4話 託された使命

 読んでくださりありがとうございます。扉の中には何が待ち受けているのでしょうか。


「持って来たぞ。とりあえずこれで扉の周りの土を掘ろうぜ」


 振り返るとレイモンドが大きめのシャベルを2つ肩に担いで立っていた。それを見てマシューはニコリと笑って1つ受け取り地面を掘り始めた。続いてレイモンドもまた隣で地面を掘り始める。2人は会話をすること無く無言で掘り進めていた。順調に掘り進めていたその時不意にマシューが口を開いた。


「……なぁ、レイモンド」


「どうした?」


「……中には何があるんだろうな」


「知らん。それに開けて良いものかどうかも知らん。……だがよ。ひとまずは、まあこれで扉が開けられるんじゃない?」


 そう言うとレイモンドは満足そうに笑った。掘り始めてから数分後、半分しか見えていなかった扉は全て明らかになっていた。


 まるで金庫を思わせるような重厚感のある金属で出来たその扉には1つハンドルのようなものが右側についている。ダイヤルや鍵穴は見当たらないので恐らく鍵はかかって無いのだろう。


「……鍵はかかって無さそうだな」


 マシューはハンドルを片手で握ってみた。見ただけでは分からないがハンドルを握りしめるとどうやら扉の開け方が分かるものらしい。マシューはどうすれば扉が開くのか手に取るように分かった。


「なるほど、これは開けられそうだな」


「お、本当か⁉︎ 押すタイプか? 引くタイプか?」


「この扉は引くタイプ。……ただし横開きのね」


 ハンドルを操作してマシューは力いっぱい扉を左方向に引いた。かなり重い扉ではあったが開かない程ではない。少しだけ時間をかけてマシューは半分以上扉を開けた。そこまで開けば2人とも充分に通ることが出来る。


「……ふぅ、開いたね」


「あぁ、開いたな。さて、……どうする? 中へ入るか?」


「ここまでやって入らない選択肢があるのか? 俺はこの扉の先が気になる。この家にこんな秘密があるなんて知らなかった。父さんにはまったく関係無いかもしれないけど、知れることは全て知っておきたい」


 マシューは真剣な表情である。その表情はマシューの覚悟を表していた。その表情を見てレイモンドはニコリと笑った。


「なら入らない選択肢は無いな。……ところでお前明かりも持たずにこの中に入るつもりか? 中は絶対に暗いぞ?」


 言われてみればそうである。マシューはここに来るのに供える花以外のものは持って来ていない。手元にあるのはレイモンドが家から持って来たシャベルだけである。


「……そうだな、うっかりしてたよ。君の家に明かりか何か無いか?」


「俺は一度家に帰っているんだぞ? まさかまた取りに行けってのか?」


 レイモンドは少し大袈裟にため息をついてみせた。が、次の瞬間ニヤリと笑うとどこからかランプを取り出した。どうやら隠し持っていたらしい。


「……当然持って来てるに決まってるだろ。先頭はマシューに頼むぞ。なんてったってお前の家の中なんだからな」


 どうして隠し持っていたんだと思わず言いたくなったマシューだがそれを喉元でこらえ、笑顔でランプを受け取った。マシューは半分以上開けられた扉に向き直った。どこに繋がっているのか、中に何があるのか。さっぱり分からないだけに不気味な気配が立ち込めていた。だがいつまでもそうしている訳にはいかない。意を決してマシューは扉の先へと足を踏み入れた。


 数段の下り階段を降りるとマシューの家の間取りと同じくらいの大きさの広い空間が広がっていた。ランプで照らしているからか扉の外で感じていたほどの不気味さは感じなかった。恐らくだがここは地下室的な役割を果たしていたのだろう。


「……お、結構中広いんだな」


「だよね。パッと見た感じ特に変なものは……ん? あれ、何だろ?」


 ランプを片手に辺りを見渡していたマシューはあるものを見つけた。その方向へランプを照らしたことでレイモンドもそれに気がついたようだ。2人はゆっくりと見つけたものに近づいて行った。


「……剣だな」


「……そうみたいだね。それに横の台の上に何かあるな。これは手紙と……地図なのか?」


 2人が見つけたのは少しばかり古い剣と手紙、そして古地図である。マシューは置かれていた剣を手に取った。放置されているかたちになっているため状態はやや悪い。だが、それは思っている程では無くきちんと研いでやれば充分使えそうな状態である。


 もしこの剣がマシューの祖先がかつて置いたものならばこんな状態で見つからないだろう。少なくとも置かれてから数年は経ってそうだが逆に言えば数年しか経っていなさそうとも言える。


「……これ使えそうだね。近くに試し斬りが出来るようなものは無いから詳しくは分からないけど武器としては充分なんじゃないかな?」


「……そりゃ本当か? 本当なら凄いことにならないか?!」


「多分君の想像していることは正しいと思うよ。これは、……恐らく俺の父さんが置いたものだ。近くにあったこの手紙を読めばきっとそれが分かるはずさ」


 マシューが手に取ったのは剣が置いてあった横の台にあった手紙である。古くなり一部読みにくい箇所があるものの中に書いてあることが完全に理解出来ない程ではなかった。そこには次のように書かれていた。


『私にはこの使命は果た……なかった。この世は歪……ある。故に誰かが…………ねばならぬ。そのために《七つの秘宝》が……要なのだ。全ての《七つの……宝》を集めこ…………を正してくれる救世…………現れるのを願い私はこの手紙を未来……託す。 ケヴィ……・ア…………ルド』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 風情があってとても良かったと思います。少年が遺志を継いで冒険に出る、そのきっかけとなるに良い場面、流れだな、と思いました。文字がところどころ消えているのも雰囲気があって良いですね。 [一言…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ