序 端書き 黒池ダイブ
はぁ····
相変わらず薄暗く曇った空を見上げて溜息をつく。
相変わらずと言ってもまだ二日しか経っていないが····。
はぁ~あ~·····
まぁ結論から言うと、出られなかった···この切株の中から。
登れなかったと言った方が正しいか。
ちなみに今俺が居るのは切株の半分を占めている陸地だ。
昨日は丸々1杯を切株の壁登りに費やした。
ま、無理だったんですけどねぇー。
絶望的でしたわ。
何度も落ちるし、謎にツルツルしてるし····。
そして何より空腹。
これが一番やばい。
こんな事言ってる今も実はやばい、お腹がへこむ通り越してマイナスの領域に足を踏み入れてる。
さて、問題は食料だ。
切株の中は大量の動物の死体や骨で埋め尽くされた陸地と、底の見えない黒々とした水たまり·····というかちょっとした湖が出来ている。
入るしかないか·····。
嫌だなぁ·····。
だがしょうがない。
俺が食べられる物があるとするなら池しかないのだ。
流石に腐った肉を食う勇気は無い。
まぁ骨ばっかだから食べる部分なんて殆ど無いんだけどな
そんなことを考えながら池を覗き込む
うわ黒っ。
これ本当に魚とかいんの?
陸地に魚の骨らしきものがあったから居るとは思うが····。
てか忘れてたけど俺って竜じゃん。
泳げんのかな?
·····。
ぇぇいままよ!
ドボン
「アボボババ、ブクブク····プハッ」
うん。これは駄目だわ。
ずぶ濡れになった体を持ち上げ、陸地に上がる
はぁ····。
池入んなきゃよかった····。
なんか水はヌルッとしてるし、何より陸だと動く度に体に土が付く。
あー、不快だ····。
腹のすき具合も限界だし····。
そんな俺の目に、大量の骨が映る
あれ食うしかないか···
骨の山から大きめの骨を1つ取り、付いている土を払う
30センチ位だろうか···結構でかい。
コッチの世界の生き物なのかもしれない。
これはしょうがないんだ····。
そろそろ何か食べないと死ぬ。
だから·····
「ガァ····」
バリボリと音を立てて骨を齧る
「ウゲェ····」
苦い····。
劣化していたせいか硬さはそんなにでも無かったが、苦い·····。
粉末タイプの薬を飲んでるみたいだ。
暫くして、異世界初の食事を終えた俺は、骨の山の中で眠りについた。
何卒ブクマ、高評価よろしくお願いします(・ω・)_ _)ペコリ