ソルロア王国への祝福
空を1頭の白竜が飛ぶ····。
ここは、この大きな世界の中央にある国、ソルロア王国。
別名、白竜の守護国····。
中世ヨーロッパ風の街の中心には白竜の装飾をあしらった荘厳な城が立っている。
その名の通り、国全域を白竜が守護しており、建国から約1200年1度も戦争をした事がない国でもある。
そんな歴史あるこの国は、今パレードの真っ最中だ。
街道という街道には露店が並び、大人も子供も皆浮かれている。
何故かと言うと、国を守護する白竜に子供が産まれたのだ。
建国以来初めてのビックニュースに、人々は歓喜した。
パレードが終わり、街の広場の壁に国王が映し出される。
椅子に座った国王、ソルロア王国26代目国王ハルバート・ソルロアが口を開く。
『今日は、ソルロア王国の長い歴史の中でも最も素晴らしい日の一つとなるだろう。つい先日、我が王国を守護する白竜、アリア殿と、トラグーン殿の間に新たな命が誕生した。』
今まで静かに聴いていた国民の多くも、我慢しきれず喜びの声を上げる。
『生まれたのは姉妹で、名前はオルタム殿と、ソフィア殿だ。···では、お二人の誕生を祝って乾杯!』
湧き上がる歓声、誰も彼もが祝いの言葉を叫び、再び祭りが始まった。
◇◇◇
ソルロア王国から遥か北にある未開の地、【魔窟の森】。
常人なら決して近ずかない森の奥地にある大穴の中に、1匹の竜····の様な物がいた。
それは、目まぐるしく姿かたちを変えている。
人間、子竜、人間、子竜、人間、子竜·····。
やがて薄汚い子竜の形を取ったそれは、暗い穴の中で一先ずの眠りについた。