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ラブ

女視点

「あのー、大丈夫ですか…?」


 顔を上げて私はハッと我に返った。



 何故ここに筋肉ドクターが…?なにこのギャラリー。なんでこんなに注目集めちゃってるの??そもそも、私なんでこんな泣いてるんだっけ?というか、占い師も号泣してなかった?え、なんで??

 私はとにかくパニックだった。


「LOVE~!」


 パニックで固まってる私の視界に、何故か愛を叫びながら筋肉ドクターに抱きつく占い師が飛び込んできた。ドクターは白目を剥いて、ピクピクしている。


「ちょっ、筋肉ドクターが…!」


 慌てて占い師を引き離す。占い師から解放されたことで意識を取り戻した筋肉ドクターは、呆れたように私達を叱った。


「何故貴方たちはいつも面倒を引き起こすんです?」


 突然抱きついた占い師はまだしも、なぜ私まで一緒くたに怒られているんだろう。


「それから変な愛称で呼ぶのもやめてください」


 あっ…。



「ラブ!会えると思わなかったから嬉しいよ!」


 占い師は、叱られているのに何も響いていないのか、喜びに溢れた様子でまたしても抱きつこうとしている。

そうか。あの占い師、先週倒れた時に筋肉ドクターにお姫様抱っこしてもらったんだっけ。フムフム、そういうことか。

 私が一人納得してニヤニヤしていると、占い師と筋肉ドクターが揉み合って、ゴンッとテーブルにぶつかり、コロコロと水晶が転がっていった。


「あっ!」


 私が声をあげるより前に筋肉ドクターがスタスタと歩いて取りに行った。占い師はその場所から微動だにせず満面の笑みでドクターを待っている。


 私は突如このヘンテコな光景に既視感をおぼえた。


 ラブ…?


 どこかで聞いたような…


「はぁ。私はもう帰りますんで」


 筋肉ドクターは拾ってきた水晶を占い師の手に載せると、踵を返して立ち去ろうとしたのを、占い師が裾を掴んで引き留めた。


「何か、この間のお礼を…あっ!」


 占い師はガサゴソと鞄をあさって、ポケットティッシュを取り出した。

 さすがに、お礼にポケットティッシュなんて…。私はドン引きしたが、筋肉ドクターは何故か立ち止まってティッシュをみつめている。


「これっ、来るときもらったんですけど、一緒に行きませんか!?」


 ポケットティッシュに挟まれた紙には、『子猫カフェNEW OPEN!』と書かれていた。


 猫、好きなのかな。


「…っ!実家の…母が…動物アレルギーで…飼えなくて。野良猫可愛がっても…スタッフに怒られて。大の大人の男がひとりで猫カフェ行くのも何だか気恥ずかしくて…」


 かっ、かわいい…!!なにこのギャップ!くぅ~!!


「じゃあ、男二人で行くのもアレなんで、三人で行きましょう!!」


 占い師は、私に晴れやかな笑顔を向けた。


「えぇっ!?」


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