タロット
男視点
「というわけで!占ってください!!」
「…どういうわけで?」
俺の目の前に、前のめりで真剣な目をした女性が勢いよく座った。
いつかのデジャブのようだが、あの時と違うのはその女性が妻ではないということくらいだろうか。そして、付き添いがいるという点もあの時と違……え?
目の前の女性のあまりの勢いに気を取られて、視界に入らなかったが、付き添っていたのは妻だった。
ドウイウコト?
頭にハテナ浮かべながら妻の方を見ると、妻は何故かとても気まずそうな苦笑いをして、「突然すみません。会社の後輩なんですけど、どうしてもって聞かなくて…」と会釈した。
「いや、俺は全然!!…嬉しい…ですけど」
「占い師さんて、今日こういうことが起こるとかこういう客が来るとかって占わないんですか?」
「あー。自分のことは占えないっていうか占わないようにしているんです」
妻に会いたいがために始め、そして達成されたのもあって惰性でここに座っていた。しかしポツポツお客さんが来て、スッキリしたり嬉しそうな様子でお礼を言ってくれるのを見送るうちに心地よくなっていたため、今日もここにいる。あと自分と妻の今後は知るのが怖くて占えていない。
なんてことは言えないのでそれっぽく取り繕う。
それよりも自分が妻の会話に登場したことがとても嬉しい。どんな風に話されていたんだろう。悪い登場の仕方ならこうやって後輩を連れてきたりはしないはず。占いを進める中でそれとなく探ってみよう。
「それでは始めますね。恋愛運でしたっけ?」
「はい!私と占い師さんの。なーんて。えへへ」
「ファぇっ?」
変な声が出た。
「こらっ!占い師さんからかわないのっ!」
「からかってません!本気です!」
「なに言ってるの…」
「私、まどろっこしいの苦手なんですよね。徐々に距離を詰めるとかそういうの」
「いや、でも人としてまず礼儀や距離感は大事っていうか…」
俺は妻が『先輩」をしている姿が新鮮で、




