伏兵?
女視点
「って感じ」
「えっ終わり!?猫カフェは?えっ筋肉は??2次会は??」
「ほらもう昼休憩終わりだから。戻らないと」
「えーーもう気になって午後の仕事手につかないです!」
後輩や先輩の質問が要所要所で入ったこともあって、エピソード前半で時間切れになった月曜日の昼休み。思い出すだけで疲れも蘇る。
スーパーで安売りしている日に買い溜めておいた甘酒をぐびぐび飲む。飲みながら見慣れたエクセルの表を更新していく。
「酒飲みながら仕事してる事務員初めて見たよ」
棚のファイルを整理しに来た先輩が笑いながら言う。
「ノンアルコールなので問題ありません」
「んふっ確かに」
笑いながら席に戻っていく先輩の後ろ姿を見送りながら、あの日の私の姿はどう映っただろう…なんて考えていると
「先輩!今日空いてますか?続き聞きたいです!」
いつのまにか近くでしゃがみ込んでいた後輩が飲み会を提案してきた。
「今日?うーん、そうね。仕事の愚痴も溜まってるし、先輩も誘って久々に女子会しようか」
「じゃあ、私!さっそく先輩誘ってきます!!」
「ちょっ、声が大き…」
「おっ、なになに?今日呑みに行くの?この間会社の近くで美味しい魚と日本酒出す店見つけてさ、、」
「「部長!」」
ちょうど昼食から戻ってきた部長がニコニコと話に入ってきた。
「あっ、、今日は女子会なんで厳しいんですけど、、そのお店興味あるので次のノー残業デー辺りに皆でぜひ」
「オッケー、じゃあ予約しとくね。そのお店、アジの活け造りが名物でさ、きっとビックリするよ。楽しみにしてて」
そう言い残して去っていった部長の後ろ姿を見送って、後輩が小声で耳打ちしてくる。
「部長、絶対先輩のこと好きですよね」
「そんなんじゃないよ。ちゃんと皆でって言ってたし」
「いや、それは先輩の手綱の握り方が上手いというか…上司を上手く調教?手懐けているというか…」
後輩が何やらボソボソ呟いている。
「ほらっ、そろそろ午後の郵便物届くから、受け取ったら振り分けお願い」と、後輩を仕事に戻らせる。
「はーい。あっ、女子会の時、私の恋愛相談も乗ってくださいね」
「なんだ、そっちが本題でしょ」
私がフフッと笑うと、後輩が照れたようにエヘッと笑って小走りで自席に戻っていった。
恋愛相談か…。
「カンパーイ!!」
30代後半男性の掛け声と共にグラスが鳴る。
諦めたような笑顔で先輩が適当に注文する。
スルメを噛み締める後輩は申し訳なさそうな顔をしている。
「気にしないで」
そう思いを込めた視線を送ってやる。
というのも、ヒラのこの男が女子会に参加している状況はよくあることなのだ。
「えっ女子会スか!俺そういうの馴染んじゃうんですよ〜。お店どこですか?」
誘ってもないのに世間話から参加まで漕ぎつける強引力の持ち主である。
最初の一口を終えるや前のめりで言う。
「実は俺も恋愛相談乗ってほしくて。女性の意見聞きたいんすよね」
「今日は議題が多いな」
先輩がボソッと呟く。




