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番犬

隠れ筋肉視点

 今日は彼女と距離を縮めるはずがなぜか1人増えて4人でアイスティーを啜っている。以前は睨んだら追い払えたのに今回はしぶとい新メンバーを加えて。噛み付いて振り回してやろうか…そんな衝動に駆られながらも自分が黙っているのは、それ以上に占い師が怒りを爆発させているからだ。


 命を弄んでいるだとかなんだか物騒なワードが止めどなく出てくるので割って入りにくい。まるでこのチャラピーが他人の命を左右するようなことを日常的に行っているかのような。


 しかし、だ。彼が何者であろうと自分は嫌いだし何より彼女が嫌がっている。その時点でもう攻撃対象とみなすには充分だ。


 ときどき「そうだよな、ラブ!あっ…いやなんでもない」と占い師がこちらを見てくるがどう相槌を打ったらいいか分からない。本当だったら今頃ふじねこさんのサインを見ながらお揃いの猫シャツを着て猫カフェに思いを馳せて…そうだ猫カフェに行くんだった!こんな事情聴取してる場合じゃない!!


 猫が…全猫たちが


「お昼寝タイムに入ったら!どうしてくれるんだお前!」



 どうやら心の声が後半部分だけ漏れたらしい。

 昼寝中の猫はお触り禁止の猫カフェなのだ。

 全員がこっちを見た。彼女だけがハッとした顔をして、腕時計を確認する。


「先生!おやつタイムの時間がっ!行きましょう!!」

 彼女が立ち上がって私の手を引いた。


「「なっ!!」」


 彼女は取り残された二人を振り返ると、意思の強い目をして凛とした声でこう言った。


「貴方たちは…猫ちゃん達のストレスです!静かにできないなら、ここに置いていきます!」


 守ってあげなきゃと思っていたあの彼女が…。彼女に握られた手が熱い。あの二人よりは彼女に認められている、そう思うと顔まで熱くなった。


 二人はというと、「大人しくするから」「ごめんなさい」と口々に懇願している。彼女は「ちゃんと仲良くできる?」などと確認をして、最後は優しく微笑んだ。聖母のようだった。


 お会計を済ませて、さっきトイレに立った時にグッズコーナーで買っておいたふじねこパーカーを彼女に渡した。

「えっ、いいんですか!? すごい汗かいたから、着替えたかったんです!ちょっと、今着替えて来るんで待っててください!」

 彼女は紙袋を胸に抱き締めて、嬉しそうに駆けていった。

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