待ち合わせ
私は今、池袋東口のいけふくろうの前で占い師を待っている。
会社の同僚に今日の猫カフェのことを話すと、「なにその展開!意味不明!報告よろしく!」と笑われた。
だけど私は不思議と3人で出掛けることに違和感がなく、昔からの友人と出掛けるような気持ちだった。
…どうしてだろう?
筋肉ドクターのことは気になっている。女遊びが激しい人だと思ったけど、実際はただの猫好きだということもわかった。
だけど、2度目に会った時はドキドキしなかったんだよね。初対面の時のドキドキは、あの緊迫した状況が生み出した吊り橋効果だったのかな。
そして占い師。彼は言うならば人畜無害。女子会に混ざっても違和感がなさそうな男だ。
私は結構人見知りする方だけど、彼には自然と心を開いちゃうというか、、逆に感情の防波堤を解放させられて戸惑うくらい。さすがはプロの占い師のトークスキル。
そんな二人のことを、私は今や恋愛対象として全く見ていなかった。
今あるのは、ふじねこファンとしての仲間意識。
ふじねこは男女の友情すら育む。
筋肉ドクターの為にも、サインを死守せねば!
私はメラメラとやる気に燃えていた。
そんなこともあって、今日のコーデは、髪は緩めにポニーテールにまとめ、スキニージーンズに上は白シャツ、ニットカーディガンを羽織っている。
明らかに私の中で男性を意識したコーデではない。敢えていうなら、、、犬の散歩スタイル…?
猫カフェで楽しむことを考えていたら、そんな身軽な服装になってしまった。あらゆる角度で猫を愛でる予定なのだ。こじゃれたワンピースや凝った髪型にアクセサリー、香水なんかも猫様の前ではご法度だ。猫様の写真をいっぱい撮ろうっと!
早めに待ち合わせ場所に着いた私はスマホを取り出し、ワクワクした気持ちでふじねこカフェのサイトをスクロールする。
ふんふんふん♪どのグッズ買おうかな~。職場で使えるマグカップもいいな。スマホケースもあるんだ!ん~迷う!
「運命だ…」
私の目の前に誰か立ち止まった気配がして顔を上げると、
いつぞやのチャラピーが瞳をキラキラさせて私を見下ろしていた。




