表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/11

宇宙船

「いきなり言われても信じられないと思います。ちょっとこっちへ来てもらえますか?」


彼女は席から立ち上がり、俺を家の奥へと案内する。

俺は黙ってそれについて行く。


「これは?」


キッチンの奥にそれはあった。

銀色の筒状のそれには扉が付いており。

彼女がボタンを押して扉を開けると、中は人間二人ぐらいなら簡単に入れるスペースになっていた。


「エレベーターです」


「エレベーター!?」


正直言葉の意味が理解できない。

いや、勿論エレベーターの事は知っている。

問題は平屋レンガ作りのこの家にエレベーターという、明らかに不要な物がある事実にだ。


それに乗って何階に上がるというのか?


やはり彼女の言葉は只の冗談だったのだろう。

ちょっとした乙女ジョークという奴に違いない。

だが彼女は真剣な顔でその筒に入り込み、俺に「乗ってください」と言って来る。

彼女はいつまで続けるつもりだろうか?

まあこの際最後まで付き合ってあげようと思い、俺も中に入り込む。


ふわりと甘い香りが俺の鼻腔を擽った。

やばい。

超善い匂いがする。

狭い空間に美少女と二人。

少し……いや、かなりムズムズソワソワする。

落ち着け、俺。

相手はまだ子供だぞ。


心を落ち着けようと頭の中で般若心境を唱えようとすると、彼女が内部のパネルを操作して扉を閉じる。そして突如体を包む浮遊感。俺は予期せぬ突然の事に軽くパニ来る。


「なんだなんだ!?」


「安心してください。危険はありませんから」


落ち着き払った彼女を見て、なんだか無性に恥ずかしくなってしまう。

俺は照れ隠しに小さく咳払いをして誤魔化す。


しかしこれは一体何なのだろうか?

冗談の為にしては大仕掛け過ぎる。


「着きました」


彼女がそう告げると扉が開き。

そこから飛び込んできた光景に俺は絶句する。


辺りには見た事も無い計器類やモニターが並び。

まるでここは……そう、まるで映画で見た宇宙船の様な光景が俺の眼前に広がっていた。


「信じてもらえましたか?」


「あ、ああ」


映画のセット。

此処が都会なら間違いなくそう断じていただろう。

精巧につくられた偽物に違いないと。


だがここは違う。

彼女一人が暮らす小さな小島。

その地下?にこんな映画のセットなどある筈がない。

つまりこれは――本物だという事だ。


「改めて自己紹介しますね。私はソーニャ・グレイ。宇宙人の父と地球人の母との間に生まれたハーフです」


彼女のステータスを覗いた時、種族がハーフと表示されていた。

それはこの事だったのかと、俺は思わず納得してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ