仲間になりたそうな目でこちらを見ていたもんだから
更新しました!テーレーレー、テレレレッテレー♪!
「レストランってどっちだっけか。」
「右行って上。」
ガロの言っていた通り、蟻の巣のように入り組んでいて分かりにくい...。
「着いたら何食うかな。」
「チーズを使ってるものは絶対よ。」
「それは勿論。」
.......背後に気配。刺すような敵意や殺意ではなく、迷っているような。
「........ガロ!どうした!?」
「ッ!!?」
「?ガロ?いるの?」
予想は的中。やはりガロがいた。
廊下の曲がり角に隠れてこちらを見ている。
「.........。」
「ガロー?どうした?」
「.......(ササッ」
........どっか行った...。
「....仕事はどうしたのかしらね。」
「...さぁ?」
まぁ、なんかあったら言ってくるだろ。
ーーーーーーーー
「美味かった〜!」
「流石 言ってただけあったわ。凄く美味しかった。」
チーズフォンデュにピザ、デザートとしてチーズケーキ、どこからどこまでチーズ尽くし。とにかく美味かった。
とりあえず部屋に戻ろうとするが.......
「(またガロの気配.......。)」
何がしたいんだ........?
何か相談したいことか.....?いや、出会ったばかりの相手に相談もクソもねぇかな。
「どうしたの?」
「.....またガロがいる。背後だ。振り返っても見えないぜ、気配だけだ。」
「.....どうしたのかしらね、急に。」
「さぁ......。」
ーーーーーーーーーーー
部屋のドアを開けると、中から物音がした。
焦ったような音だ。
「誰だ!!」
「おッ......おう!」
この声....
「ガロ?どうしたんだよ、さっきから。」
「何かご用?」
「いやッ、まぁ....な、うん。」
?....歯切れ悪いな....。
「お前らさ、ダンジョン向かうんだろ?迷わず行けんのかな〜って思ってよ。」
「本読んだし地図もあるし、大丈夫だと思うぜ。」
「いや、でもよ?1人ぐらいは、ちゃんと、地理に明るい奴がいた方が...」
「迷ったら迷ったで、それも良い経験になると思うわ。大丈夫よ。」
「で、でも、ここは弱い奴はすぐ死ぬし...」
「でも俺達強いし...。...そろそろ本題に入ろうぜ。何を言いに来たんだ?」
あの感じからして大体もう分かってるけど.....こういうのは自分で言ってこそだ。
「いや、あれだ.....。もっ、もし!お前らが死んだら夢見が悪いから」
「回りくどいわ。素直に言ったらどうかしら?」
流石。言葉が上手い奴が言うと説得力が違う。
「.......だッ、だから!俺を!連れてった方が!得だって言ってんだよ....。」
「それ言うのにどんだけかかってんだ。」
「ウルセェ!こういうのは初めてなんだよ!んで、どうすんだ....。」
「連れてってもいいなら連れてくぜ。大旦那には許可取ったのか?」
「...!取った!大丈夫だ!行ってこいって言われた!」
「なんだよ来る気満々だったんじゃねえか!」
「断られてたらどうするの?」
「そん時はそん時だ!とにかく良かった!これからよろしくな相棒!」
相棒?
「悪いけど相棒の枠は1人だけだ。」
「.............。オイお前!」
「何よ?」
2人で部屋の隅っこへ行った。
「相棒の座譲ってくれチビ。」
「絶っっっ対嫌。」
何話してんだか知らねぇけど、これからもっと賑やかになることは確かだな!
「(この3人でダンジョン攻略か...!)」
不安はまるで無い。マヤは勿論だが、ガロのあの感じからして、あいつも中々の実力者だ。足を引っ張ることはまず無いだろうし、あったとしてもフォローすれば良い話だ。
夜、ガロは俺達の部屋に泊まった。今日から従業員じゃなく仲間だからな。
ガロはソファーで寝ると譲らなかったが、流石に年下しかもマヤと同い年ぐらいの子どもにそんなことはさせられない。寝た頃を見計らってベッドへ運び、そのまま寝かせた。
そんでもってこれから俺は大人の時間だ。パブがあるなら行くしかない。ダンジョンの話をもしかしたら聞けるかもしれないしな。
「(ま、早起きは......なんとかなるだろ!)」
往々にして、このなんとかなるだろの精神は大事だと思う。心に余裕を持って生きていくことは大切なことだ。
わっかりやすい言い訳を並べつつ、パブのドアを開けた。
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