リリンシータニー 2
更新しました!なんかタイトルターミネーターみたいになっちゃった。
いい感じのBGMとともに、ぜひご覧ください!
(※いい感じのBGMとともにご覧ください)
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「ここ、リリンシータニーは、煉瓦と水路の港町って呼ばれてまして、その名の通り、煉瓦造りの建物と、町中に張り巡らされた水路が特徴です!自慢はやっぱり、この水質の良さと、新鮮で美味い海の幸!名産品はルナダ貝ですが、俺はヒライオが好きですね〜!淡白な味が特徴の魚なんですが、ハーブなんかと一緒に焼いたりするとま〜美味い!」
船頭の話し方が上手くて、話に引き込まれてしまう。
....この感じ、なんか知ってるぞ。マヤん時だな。
「エド。」
「ん?どうした?」
「後ろ見てみて。チラッとね。」
じっくり見たら変に思われるもんな。
「いいけど...なんか面白いもんでもあったか?...!」
理解してすぐに前を向き直す。
「分かった?」
「分かった。....魔道士が多いってことだろ?」
「そう。今まで、こんなに沢山の魔道士を 一気に見たことがないものだから、びっくりしちゃって。」
「まぁそりゃするよな。俺も驚いた。」
.....ホントに多いんだな、この世界。
「おっ!アレは...。」
船頭の声が指す方を見てみると、
「ゴンドラ...だけど、これとは違う。屋台船か?」
「そうですそうです!アレは食べ物専用の屋台船ですね。他にも、アクセサリーだったり、服専門の屋台船もあるんですよ。」
「へー!食べ物専門の...。」
「良かったわねぇお兄さん♪」
さっきのマダムだ。
....俺そこまで食いしん坊じゃないからな!?
「探す手間が省けました。まさか船の上で食べられるなんて。」
「ウフフ、そうよねぇ。」
....まぁ食いたいから食うけどさ。
「兄ちゃん!アンタ境界の人間だろ?」
「!ええ、そうですよ。」
元気なおっちゃんの魔道士だ。
「その横の嬢ちゃんは、アンタの娘さんかい?」
「まさか!俺の冒険の相棒です。」
「マヤです、おじさん。こんにちは。」
にこやかに挨拶を交わす。
....俺の時はそんな簡単に名乗らなかったくせに。
拗ねてるわけじゃないが、なんか納得がいかない。
「挨拶ちゃんとできて偉いねぇ〜!どれ!おじさんがなんか奢ってやろうか!」
「ホントですかやったぜ!」
「兄ちゃんじゃねぇよ!」
「「「「アハハハハハ!」」」」」
船内の笑いとってやったぜ。
こういう他人とのやり取りなんかも、冒険の楽しみだよな〜。
.....今まで、なんで旅にすら出ようと思わなかったんだろうな...。殺しは勿論クソ愉しいが、旅に嫌悪感があるわけでも、世界に興味が無いわけでもなかったんだけどな....。
殺すのがそんなに愉しかったのか?
いや、愉しいってか、気持ちイイんだよな。麻薬ってこんな感じか〜ってのを体験できてたぐらいには。
今の状況とどっちが愉しいんだ?
そりゃあ、やっぱり........。
そういえば最近、人殺してねぇな。
「エド?どうしたの?」
「...........。」
「....?」
「屋台船来ましたよー!お客さん!」
「.......。」
「?お客さん?どうしました?」
「エド......?エド!」
「んあっ!?あぁ、なんだ?」
「屋台船!」
「へ?おお!いつの間に!」
「さっき呼びかけたのにお客さんボーッとしてて、気づかなかったんですよ〜!」
「あらららすいません!マヤもごめんな〜!」
「.....いいえ、大丈夫...。」
やべぇやべぇボーッとしてた!
でも何考えてたんだっけか.....。
.........思い出せない。更年期か?うわ嫌だ!!!
「エド!アレがルナダ貝ですって!」
「どれだ?...ああアレが!思ってたより小ぶりなんだな。」
「その分旨味があの中にぎっっしりですよ!」
「そう言われると買うしかなくなるな〜!」
まずはルナダ貝。2人分で8フーロ.....あ。
「おっちゃん!奢ってくれるんだよな!?」
「嬢ちゃんにっつってんだろ!....まぁ、良いよ!兄ちゃん面白いからまとめて2人分奢っちゃる!」
「おぉさすが!俺の見立て通り、その太っ腹は伊達じゃなかったな。」
「うるせぇクソガキ!ったくよぉ (笑)」
クソ“ガキ”......。
「マヤ、やっぱり俺が老けて見えてるってお前の冗談なんだよな?」
「さ〜どうかしらね?」
冗談であってくれ....!せめて見た目だけは若々しくいたい...!
「ホレ!ルナダ貝2人分!」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございますぅ!」
「キモッチワリィな!ぶりっ子するな!」
とか言いながら笑っている。気持ちのいいオヤジだな〜。
というかこの世界にもぶりっ子って概念はあるんだな。
「あとは自腹で〜....お!船頭さん!アレってもしかして...。」
「あっ!アレです!アレがヒライオ!串焼きか〜うまそ〜!」
「.....、すいません!ヒライオの串焼き4本!」
「あいよ!4本で12フーロ!....はい丁度!どうもね!」
まず一本をマヤに、そんで、
「どうぞ船頭さん!」
「えぇ!?いいんですか!?」
「チップ代わりだと思って!」
「うわ〜マジかやった!ありがとうございます〜!」
そんで....、
「おっちゃん!ルナダ貝のお礼!」
「奢った意味ねぇじゃねぇかよ!(笑) ありがとな!」
これでよし。残りの一本は自分の分。
...2つともめっちゃくちゃ美味そうだな〜!
一番美味いらしい生のルナダ貝には、バジルソースが薄っすらかかっている。貝の味を消さないためだろうな。
「あふっ!」
「大丈夫かマヤ?」
「くひやひあふい.....(串焼き熱い)。」
「あはは!でも美味いだろ?」
「おいひい。」
そら良かった。と、俺も冷めないうちに食べないと.....。
.....今日は本当にいい天気だな。こんな空の下で食べるって、今までなかなか無かったかもしれない。異世界に転生してからは、特に。
....マヤに感謝だな。
「あ゛ッづ!」
「あはははは!」
〜 リリンシータニー 2 〜
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