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オーシャンビューが見えたなら次の町

更新!いい感じに爽やかなBGMを聴きながら書きました!是非ご覧ください!

列車は今森の間を縫うように走っている。

目に鮮やかな緑が、ひたすら後ろへ後ろへと流れていく。


「もう少ししたら向こう側に海が見えますよ〜!」


確かに、さっきから微かに潮の香りがする。


...落ち着いたら段々話を整理できるようになってきた。

まず、ここはバースリーという地で、俺達のいた世界とは違う場所らしい。

次に、ここに来たのは山爺が原因なんだと。


「山爺と上級の魔道士だけなんですよ、界移動できるのは。他の種族は、まず界移動や他世界の存在を知りませんからね。まぁ認知においては、ここは別ですが。」


じゃああの変態元院長は無理なんだろうな。


「俺達は別にその、界移動?がしたくて山爺のもとを訪れたわけじゃねぇんだが、なんでさせられたんだ?」

「えっとそれは多分、山爺のナゾナゾに正解しちゃったからだと。」

「?マズいのか?」

「山爺こう言ってませんでした?“ナゾナゾに答えられたら通してやる”って。」

「ああ、言っていたが....あ!そうか!」

「?エド、私よく....。」

「つまり、あのナゾナゾは正解する必要がなくて、不正解上等の、テキトーになんか言ってれば良いだけのナゾナゾだったわけだ...。」

「....そういえば正解しろとは言ってなかったわね...。」


.....そんなん分かるか!


「でも、正解したからってどうして...。」

「さあ?“真面目に答えておもろいからコイツら送ったろ!”みたいな感じですかね?」


あのクソジジイ。


「そもそも、他世界ってなんなんだ?異世界は異世界じゃないのか?」

「んーとですね...言葉で説明はちょっと難しいなぁ...ちょっと待ってくださいね!」


そう言うと、ハーディーは懐から手帳を取り出し、胸元に差していたペンをスラスラと走らせ始めた。


「実はこの世、上、下、そしてその間と、世界が別れているんですよ〜!」


そんな軽いノリで言わないでほしい。


「別れてるって....。」


こんな感じかな。と、ハーディーが手帳を見せてきた。


「お二人がいらっしゃったのは、間の世界、“境界”です。ここですね!」



上界

ーーーーーーーーーーー

境界 ← お二人がいた世界

ーーーーーーーーーーー

下界



「んで、お二人がちょっとの間滞在した白い世界は、境界と上界の間の、この線の部分、“狭間空間”で、今いるこの世界は上界です!上界の種族達は、界移動はできないにせよ、他世界の存在は認知しています。魔道士が多いからですかね。」

「そうなのね!どれくらいいるの?」

「そうですね〜、境界より住み心地が良いからって移住してきた魔道士もかなりいるので.....、もう今では数え切れないほどいるんじゃないですかね!上界での魔道士は、境界においての人間ポジションですからね!」

「!本当に多いのね...。」


....いや、まさか..... でも........。


「...なぁ、下界ってどんな所なんだ?」

「下界ですか?つっっまらない所らしいですよ〜!私友達に魔道士がいまして、そいつが下界に行った時の話を聞いたことがあるんですけど、境界上界と違って、人間やら家畜やらしかいないんですって!でも文明は中々進んでいるらしいですね。モンスターも出ないらしいですし、そこは平和で良いかも....。」


.....嘘だろ、マジかよ.......

下界って....


「俺のいた世界だ......。」

「?何言ってるの?あなたも私も境界の者でしょ?」

「あっ!ちなみに、人間が存在するのは、下界と境界だけなんですよー!でも、はっきりとした違いがあるんです!」

「そうなの?人間は人間なんじゃ?」

「いえいえ!下界人と境界人ではまた違うんですよ!境界人には魔力が存在しますからね!」

「下界人には無いのね。」


もう間違いなくそうだな....。


「そうか....。」

「....エド?」

「あっ!見てください!あとちょっとで海が見えますよ! 3......2......1......!」



[ サァァッッ! ]



視界が開けたその瞬間飛び込んできたのは、

鮮やかなシアンブルー、雲一つ無い、快晴の空。

視界に収まり切らないほどの、鮮美透涼。


「......綺麗だな....。」


思わずそう呟いてしまうほどの絶景。

目を奪われ瞬き出来ないほどの、圧倒的な美しさ。


「さあ!この海が見えたってことは、もうすぐリリンシータニー、港町ですよー!」


「綺麗ね、エド。」

「....そうだな...。」




思い詰めてる暇なんてないな。

これから先、まだまだこんな出会いが待ってるんだから。



「...楽しみだ...!」




〜オーシャンビューが見えたなら次の町〜








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