俺達の冒険は、これからだ!
第10部〜!ぜひぜひご覧ください!よろしければ、評価の方もよろしくお願いします!
「いや〜ありがとうございました!我々も全く手が出せないでいたので.....。恐ろしくてねぇ...。」
おい警察。
「とにかく、杖は必ず取り上げてくれよ?ヨハネスは論外だが、魔道士は基本、杖が無いと魔法を発動できない筈だ。それと....、」
孤児達を見やる。
マヤの活躍もあって、全員が自分を取り戻している。この無様に捕まっている院長に目もくれない程には。
「おいお前ら!!育ててもらった恩も忘れて裏切りやがって!!!」
院長の声は確実に届いている筈だが、全員無視を決め込んでいるらしく、返事をする娘は1人もいない。
「クソッ!!クソォ....!!」
「...それで....、何ですかな?エドワード様。先程言いかけていらっしゃったことは。」
「ああ。あの孤児達の“本当の親”を探してやってくれ。マヤが言うには、コイツの魔力が底をつくにつれて、あの娘達の洗脳も薄れていったらしい。中には本当の孤児もいるんだろうが、おそらく攫ってきたのがほとんどだろう。そうなんだろ?”元“院長?」
「.......チッ!」
舌打ちで返事するんじゃねぇよ ったく。
「だったら今頃、親にかけた洗脳も解けてる筈だ。当然死に物狂いで探しているだろうし、あの娘達も親元へ帰りたいだろうからな。」
「分かりました。しっかり手配いたします。」
「ああ、頼むぜ。」
「ねぇねぇマヤちゃん!エドワードさんってかっこいいねぇ!マヤちゃんの彼氏さんなの?」
「んなわけないでしょ、相棒よ。」
「へー!でもでも、実際好きだったりしないの〜?」
「“そういう”意味では好きじゃないわ。(信頼はしてるけど、まだ出会ったばっかりだしね。)」
「えー?そうなのー?でもあっちはどうかな〜?」
「はい?」
「脈アリな感じするじゃ〜ん!私ちょっと聞いてくるね〜!」
「あっ ちょっと!」
.....もう。元気なのはいいけど....。
「あっちだって私と同じ答えのはずよ。」
「えー?それは分かんないじゃん!」
「絶対好きだよー!」
「ねー!」 「ねー!」
....イキイキし過ぎでしょ。
「エドワードさんって、マヤちゃんのこと好きなんですか〜?」
「ええ?」
急に何を言ってるんだこの娘は.....
「まあ好きだけど....。」
「ホント!?」
キャーキャー言ってる....... ん!?
そういう意味での好き嫌いか!?
「違う!相棒としてな!?」
「え〜?なーんだぁ〜。」
残念そうに戻って行った...。
でもしょうがないだろ、マヤをそんな目で見る日なんて一生来ねぇよ。こちとら精神年齢初老なんだぞ?マヤは娘っていうか、もはや孫に近いしな。
「(...そうか孫に近いのか......。孫......。)」
そう思うと、ああやって女の子達と話しているマヤが、なんとなく微笑ましく感じられる。
「(孫がいたらこんな感じなのかね.....。)」
そう考えて、すぐにやめた。
「(孫だの娘だの言っていい奴じゃないな、俺は....。)」
俺みたいな奴が持っていいものじゃない
赦される人間じゃないからな
「エドワードさーん!」
「!ドヘさん!」
「上着をずっとお借りしていて申し訳ありません!家でお洗濯してきましたので、お返しいたします!」
「わざわざ洗濯なんていいのに...ありがとう。」
「それはわたくしのセリフです!見ず知らずのわたくしめに色々と」
「失礼なことを.....。」
「違います違います!わたくしめに親切にしてくださって...!本当にありがとうございました...!
...あなた方がこの街を出て行く時、ご挨拶できないかもしれないので、今、お教えいたします。忘れないでくださいね、わたくしの本名を....!」
「...ああ!絶対に忘れない。」
「わたくしは、
“ドヘ・ンタイ”と申します...!
「....え?」
「ドヘ・ンタイです...!」
....どうして...!どうして、その名字に、ドヘをくっつけちゃったんだ.....!
「.....こんな時にこんなことを聞くのはなんだが、ご両親は何を...?」
「ああ!姓名占い師です!」
「(どうして.....!!)」
ーーーーーーーー
〜マヤ視点〜
その晩は、悪い魔道士を倒したということで、街を挙げての宴が行われた。でも本当は、魔道士を倒した祝いというよりも、....ただ、大義名分をつけて飲み明かしたいってだけに思えたわ。
ぜひ参加してほしいと街の人達に言われ、あの娘達にも絶対来てほしいと言われてしまえば、参加しないわけにはいかない.......エドも飲みたそうだし。
ちなみにあの孤児院には、後でもっとちゃんとした院長がつくことになったらしいわ。本当に良かった。
宴の雰囲気に呑まれてしまったのか、孤児の娘達はすっかり酔ってしまい、少し前に、親が見つかるまでの仮の家へと帰宅。
エドは向こうで街のおじさん達と腕相撲してるけど、やっぱり負け無しみたいね。
私はというと、おばさんやお姉さん達に捕まっておしゃべりの輪の中。
さっきやっと1人が寝たわ。お酒に強いのねここの人達は...。
「アタシには分かる。アンタの相棒はただの若造じゃないね。」
「まぁ、そこらにはいないでしょうね。」
そこらで出逢ったわけだけど。
「ありゃあ30を超えた男の色気ってヤツさね。.....本当にいい男だよ....。」
「アタシもそう思うー!ヒック!」
30を超えた男....?エドって、私以外には老けて見えてるのかしら?
「雰囲気が年の割に大人っぽいってこと?」
「んーにゃ!それだけじゃない。」
「そうなの?」
「「うんうん。」」
お姉さん達がうなづいてる。
「...私には分からないわ。」
「マヤちゃんはまだ若いからしょうがない。」
「「しょーがなーいしょーがなーい!」」
そう言ってまた皆一斉に飲み始める。......もう流石に......
「ごめんなさい、私ももう気分が悪くなってしまって...。」
「あら!ごめんね〜お酒の匂いキツかったわよね〜!」
「本当に今日はありがとうね〜!ゆっくり休んで!」
「ええ、ありがとうございます。それでは。」
「じゃあね〜!マヤちゃ〜ん!」
エドには悪いけど、もう宿に向かわせてもらいましょう。
「エド、私 先に宿に...」
「おぉマヤ!宿に帰るか?じゃあちょっと待っててな〜。」
そういうと、エドは周りの大人達に挨拶をして帰る準備を始めた。
「悪ぃ悪ぃ、気が利かなかったな。さ、帰ろうぜ。」
「....いいの?まだ居たいんじゃないの?」
「いいや?明日に差し支えない程度に切り上げようと思ってたぜ。それでも遅過ぎたな。ごめんな。」
「......あなた、老けて見られてたわよ。」
「嘘だろオイ!!?マジかよ...!!」
.....怖がる必要なんて、無かったのね。
「ふふ〜♪」
「! 楽しかったか?」
「ええ!でも明日からの方がもっと楽しみだわ。早くに出て歩き出しましょうね?見送られてさよならってのも小っ恥ずかしいし。」
「そうだな!明日は早起きして....できるかな。」
「すーるーのー!」
「分かりました!」
.....さぁ、冒険はまだこれからよ。
〜俺達の冒険は、これからだ!〜
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