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星羅の月　十六日（曇り）

難しめな注文が飛び込んできた。服を作る魔法薬の注文だ。

そんな薬は置いていない。だから新しく作らなければいけない。しかし材料も足りていない。まずはそこから初めないといけないわけだ。

もし、材料が潤沢にあっても、すぐには作れないけど。服を作る魔法薬には、問題点がいくつかあるからだ。

魔法薬に限らないけど、魔法は時間で効果が解ける。長続きしてほしかったら、その都度魔力を注がなければいけない。とにかく、時間が経ったら消えるのだ。魔法で作った服も、時間が経てば消えてなくなってしまう。

これが一つ目の問題点。町中で服が消える可能性がある。これに関してはいろいろとやりようがある。上着だけ作るようにするとか。

二つ目の問題点。これが、服を作る魔法薬が簡単じゃない理由だ。

服のデザインが必要になる。どんな服を作るのか。サイズも忘れてはいけない。使う人が変われば、違う魔法薬にしなければいけないのだ。

これがすぐには作れない一番の理由。

材料を集める。どんな服を作るのかはさておき、外側だけでも作れるようにする。服に関しては、依頼主に訊く機会が……きっとそのうちある。そのときに考えればいい。