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剥離の月 十四日(曇り)
剥離の月 十四日(曇り)
昨晩、泥棒が入った。
朝、お店にくると鍵が壊されていた。部屋の中も荒らされていて焦ったものだ。
その処理のために、今日はお店を開けられなかった。突然だけど、事情が事情だったから仕方がない。
部屋は荒らされていたけど、盗まれたものは少なかった。なくなったのは、薬が数本だけだった。お金も、他の価値あるものも無事だった。
盗まれた薬の中に、昨日に完成させて処分する予定だった、他人薬が含まれていた。それがとても気がかりになっている。
悪用されなければいいけど、盗みに入る人が悪用する姿は容易に想像できてしまう。
危険な薬を作るのは、こんなリスクもあるのだと思い知らされた。
もし犯人が見つかれば、衛兵隊から連絡が入るようになっている。幸いにも、犯人は証拠を多く残していったそうだ。すぐに見つかるかもしれない。




