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夕餉の月 二日(晴れ)
夕餉の月 二日(晴れ)
雲は晴れた。しかし私の心には雨が降っている。土砂降りだ。
昨日、薬屋が見当たらなかった件について、
流石にモヤモヤしたまま放っておけないと調べてみた。
そうしたら一発だった。単に私が知らなかっただけだった。
サンクシエカには薬屋がある。
その薬屋はとても大きくて、人気のある薬屋だ。
ラフィーシャ・カトカエアが会長を務める。カトカエア緑葉店
私は人が多い通りばかりを見ていたから気づかなかった。
カトカエア店は住宅街にあるのだ。
サンクシエカでは、小さな薬屋は出たり消えたりしているらしい。
カトカエア店が大きすぎて、新しく開いたお店にお客は入らず戸を締めるしかなくなるのだとか。
私のお店も、先人の後を追う結果になってしまうかもしれない。そう思うと億劫になる。
私のお店は、建物はボロボロだし、大手とは比べ物にならないくらい狭い。
生き残ろうと考えたら、とんでもない奇策が必要になりそうだ。もしくは、目が飛び出るほどの運に恵まれればいい。