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剥離の月 十日(雨)
剥離の月 十日(雨)
開き直って魔法薬を作る。作っていて楽しいし、お客さんも好きだ。いい値札を置いておいても何故かなくなっていく。
香水に関連付けたものと、いい夢が見られるもの、体力回復剤などを作った。いつも作っている薬だ。たまにはもっと違う薬を作ってみてもいいかもしれない。
投書箱を設置することにした。棚を空けてありあわせの敷居を付けただけのものだけど、頑張って作った。
まだ空のままだけど、そのうち一杯になるかもしれない。可能性はある。
投書箱は、考えているほどの成果は出ないと思っている。
だって、わざわざ投書箱を使うより、直接私に言った方が早いんだもの。カウンターから投書箱まで、徒歩にして三歩である。
私のお店はそんなに広くない。




