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豊艷の月 二十一日(曇り)
豊艷の月 二十一日(曇り)
魔法薬の弱点は、どうしても材料費が安くならないこと。
この点が解消されない以上、数を揃えにくい。幻聴が聞こえる魔法薬は遊びで作って、とりあえずお店に置いたけど。
その問題を解消してくれるのが注文だ。高確率で売れる魔法薬を作れる仕組みになっている。
注文したけどやっぱりいらないと言う人もいそうだけど、幸い私はまだそんな人とは会っていない。
お店に置いている魔法薬で売れるのが一部だけなのは、昨日今日に始まったことじゃない。
この問題が解消されたらなぁ。値下げはしたくないし、どうしても売れないものは引っ込めるしかないのかな。
そういうわけで、今日は棚の大移動が起こった。古い物は慈悲なく消して回った。
お店の裏は引き上げた古い瓶でいっぱいで、表は品不足に陥った。この品不足の解消は少し時間がかかりそうだ。考えなしでやるものだから、まだ何を置くか決まっていない。




