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豊艷の月 二十日(雨)
豊艷の月 二十日(雨)
イスアさんのお店がどうなっているのか見に行った。
見た所、以前よりは良くなっているようだ。誰かが品を取ったような不自然な空間がちらほらあった。
イスアさんに直接尋ねたところ、現状は好調ではないけど、不調とも言い難いそうだ。
どんどん小さくなっていく数字を食い止めたまではいいものの、跳ね上がるための起爆剤が不足しているとか。
今後の課題は、その起爆剤を見つけることだそうだ。
私もあまり人の心配ばかりしていられない。今は魔法薬の注文が途切れている。お店の棚に常備している在庫だけで戦っている状態だ。
私のお店も代わり映えしないと言えばそうなのだ。結局、過去に売れたものばかりを優先して置いてしまう。
理想は未来に売れるものを揃えた状態だ。しかし私に未来視は荷が重い。
でも予想はできる。人の体内に入るまで冷めないお湯とかどうだろう。




