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豊艷の月 七日(雪)
豊艷の月 七日(雪)
雪を退かす予定が、今日も雪が降って厚みが増した。
とりあえずお店の前だけは綺麗にしたけど、裏側は酷いものだ。出入りすら難しいくらいになった。扉が開かない。
魔法薬というやつは便利で、予め用意しておけば後々にすぐ、二本の腕では難しいことを成せる。
雪が冗談にならなくなってきたので、魔法薬というズルで、雪を除去する方向に考えてみる。手作業はやめだ。
その魔法薬の準備をした。正確には、以前から作っていた雪が積もらなくなる魔法薬、それを作り変える。一から作るのと間に合いそうにないから、苦肉の策だ。
明日も雪だったらどうしよう。今日は視界がまるで無いくらいに酷かった。サンクシエカでこんなに雪が多いのはとても珍しいらしい。それでももっと北と比べたら薄いらしいけど。
当面の遊び相手は雪になりそうだ。少なくとも明日までは。




