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朝露の月 十二日(雪)

朝露の月 十二日(雪)


ついにやってきた。サンクシエカに来て初めての白い街だ。

朝はまだよかったのだけど、夕方にもなると外が真っ白になった。


街を歩く人が昨日よりも少なくて、その証拠に夕方薄暗い帰り道、私のお店から家まで、他の足跡が全くなかった。


今日は温かいものを食べた。自分は氷の妖精かと思うくらい体が冷えて、防寒に手を抜いた後悔にさいなまれたけど、温かいものを食べたらどうでもよくなった。

暖を取りながらずっと火にかけた煮物を食べた。家にある余っていたものを構わず投げ込んだ。特に野菜は種類を選ばず、とにかく投げ込んだ。


買い物をしようと思えれば食べたいものを買っていたに違いない。でも今日ばかりは無理だ。寄り道をするには寒すぎる。火の横で縮こまるのが正解だった。



眠気を取り除く魔法薬は予定通り完成した。こんな寒い日なのに、お客さんはしっかり朝からやってきて、眠気を取り除く魔法薬を買っていってくれた。現金で一括だった。私がお客さんのお財布を心配するなんて、少々出過ぎたマネだったらしい。


お客さんに、眠気を取り除く魔法薬を注文通りに渡したけど、はてさてどうなるものか。魔法薬は使わず、休んでから勉強するように勧めたけど、あの浮かれ顔は話を聞いていなかった顔だった。

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