表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/378

朝露の月 十日(晴れ)

朝露の月 十日(晴れ)


眠気を取り除く薬が完成した。例のごとく、今日も眠気を取り除く薬を注文してくれたお客さんが来た。

矢のように来て、突風を吹かせて帰っていった。丁度そのとき、お店にいたお客さんが目を剥いたほどだ。


夕方に、また眠気を取り除く薬の注文が入った。同じお客さんからだった。

まだ一晩も過ぎていないのにやってきた。


転売ないし、本来とは別の方法で使っているのではないかと疑って用途を訊くと、どうやら学生さんらしく年末の試験に向けて猛勉強中だと判明した。そのために寝られないそうだ。

既に眠気は限界を突破していたようで空元気を振り撒いていたけど、瞼の重さは通常の数倍かそれ以上に跳ね上がっている。知らぬ間に鉄を仕込まれたような瞼が、私の魔法薬で軽くなったらしい。


お客さんは、完全に薬が尽きないように、早速補充をしようと考えたようだ。


懸命と言えるかもしれない。でも無理やり起きての勉強に意味があるのか疑問だ。あの魔法薬は眠気は取っても疲れを取るわけじゃない。疲労は貯まる一方になる。

疲れを取る魔法薬を付けようか。


一つ気になることがある。そこまでして試験で成績を残す意味があるのだろうか。お客さんの注文は全部合わせると相当な本数だ。全て魔法薬だから、とんでもない額になる。

学生には不相応な数字だと思う。ふた月は過ごせるだけの金額になる。本当に払ってもらえるかも不安だし、今からでも止めたほうが良い気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ