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混濁の月 二十三日(雨)

混濁の月 二十三日(雨)


外に出られないほど強い雨がやってきた。太陽が仕事をする時間はずっとそれで、今日は宿に籠もってばかりいた。

滝を見られたと思えば悪くない。雨でとても冷えた一日で、ずっと温かいものを飲んでいた気がする。


大風車園の施設は全て屋外にある。というのは間違いだ。ちょっと大きめの建物があって、そこにも詰め込まれている。

その詰め込まれている一つに、百種以上の飲み物を楽しめるラウンジがある。私はそこで、メニューの端から順番に飲み物を頼んでいた。


始めは普通の水みたいに透明な飲み物が出てきた。とても甘くて一度に大量に飲むのは大変だった。


次に頼んだのは、橙色っぽい飲み物だった。少しとろとろしていて、またも飲むのが大変だった。味は最高。とても濃厚でやっぱり甘かった。


三杯目は黒っぽい液体だ。元の色が濃すぎて黒く見えただけかもしれない。それが見た目の割にスッキリとしていた。すぅと喉を通っていく感じ。


それから一息ついて、その後は何を飲んだっけ。赤っぽいやつだ。

とにかく匂いが強烈な飲み物が出てきた。あの匂いは一体なんだろう。似たような鈍い匂いは知っているけどあんな赤色じゃないし、混ぜているのかな。

味は良かった。鼻をつまんで恐る恐る口にしたら、そこから先は踊りたくなるほどだった。じわりと口に広がる……なんだろう。とにかく落ち着く感じがした。


大風車園に来る人は限られているのに、どうしてこんなに多くの飲み物を用意できるのだろうか。私も同じくらい出来たら……魔法薬と飲み物は違うし、私のお店と比べたら大風車園は大繁盛だけど。


ちなみに、一番のお気に入りになったのは、青が沈殿した、透明と青色の飲み物だった。付属のお菓子と一緒なら永遠に飲み続けられる。一口含むだけで味が長時間残るから、時間の流れを楽しむには最高の品だった。

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