表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
308/378

混濁の月 十六日(雨)

混濁の月 十六日(雨)


なるべく時間を作るために、朝食は昨日の残り物にした。多くの時間を魔法薬に注ぎたかったのだ。


今日は買い物が出来るようになる魔法薬に時間をつぎ込んだ。

実はこの魔法薬は作ったことがなかった。今日が初めてだ。だから少し不安がある。


買い物が出来るようになる魔法薬と銘打っているけど、その実、思考を誘導させる一種の幻惑薬だ。

決断力を高めて、必要なものを選べるようにする。


これには非常に大きな欠点がある。私がこれが嫌いなのだ。

人の欠点を補うようにする性格矯正は、魔法薬の効果が切れた後に自己嫌悪を生じさせる可能性がある。


魔法薬で欠点がなくなった理想の自分と、魔法薬が切れた後の現実の自分を比べてしまうのだ。自覚していた自分の欠点がより鮮明に見えてしまう。想像するだけで楽しくはないのはわかる。


そうならないようにするにはどうすればいいのか。それが今の課題だ。

魔法薬で欠点を補強するんじゃなくて、潜在能力を引き出す方向にできればいいんだけど、それは無理に等しい。


結局、欠点がある魔法薬を作るしかなかった。


初めて作る魔法薬だけど、精製の難度は低い。もっと高度な魔法薬を作っている私からしたら、こんなの児戯だ。それでも初めてなのは事実だから、慎重にやったけど。


買い物ができるようになる魔法薬は、近々完成するはずだ。失敗するとしても、一回か二回で収められる。


それまでに、買い物が出来る魔法薬の説明を考えておかないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ