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混濁の月 九日(曇り)

混濁の月 九日(曇り)


足元に水たまりがあって、歩きにくい一日だった。


今日は魔法薬を作りながら、家事の知識を集めて、お店も開けるという荒業は、私の体力と引き換えに可能になった。


朝、いつもより早く出て、警務部へ向かった。掃除夫さんから仕上げの話を聞くためだ。掃除夫さんは、資料をぽんと渡してくれた。それで終わり。わざわざ私のために用意してくれたのだ。


掃除夫さんは、私に掃除の知識を授けてくれただけに留まらない。

洗濯の知識もなんとかなった。警務部の掃除夫さんのつてで、紹介してもらった人から教えてもらった。警務部から走ってすぐの場所で教えてもらった。


料理もなんとかなると思う。レシピはお客さんに自分で探してもらうとして、料理は私も少しなら出来るし、料理ができる知り合いが、私がよく通う料理店にいる。いつも私にお昼ごはんを用意してくれる店主さんだ。

話をしてみたら、有料なら少しだけ教えてくれるそうだ。有料というのは、また注文してね、という意味だった。



集まった知識を魔法薬に込める作業が、私の午後を埋め尽くした。

退屈な作業だった。三本の魔法薬に、それぞれ違う知識を込めていたわけで、それを同時にやっていたから、間違えないように注意するのが大変だったけど。

知識を与える魔法薬自体はそう難しいものじゃないし、まあ退屈だった。


三本の中で、一番完成が早かったのは、掃除ができるようになる魔法薬だった。昨日から取り組んでいた分、早くできるのは当然だけど。

残った二本を同時に完成するようにするかどうか迷うところだ。


買い物の魔法薬は手の付け方がわからない。もう依頼人に直接しっかり聞いて確かめることにする。



夕方には空が晴れていた。夕日が水たまりに反射して、街中が輝いていた。夕日で赤く光っていた。

とても綺麗だった。まるで色ガラスが足元にはめられているみたいだった。


ゆっくりと足元や街を見ながら歩いていたら、家につくよりも先に日が落ちた。

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