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夕餉の月 十六日(晴れ)
夕餉の月 十六日(晴れ)
今日はとてもいい天気だったので、溜まり始めていた洗濯物を一斉に干した。
数日分あったから時間がかかった。
朝食はいつもどおり。お店を開けるので、時間がかかる挑戦はできなかった。
ナッツペーストを塗ったパンを焼いただけのものと、生野菜。体を温めるホットミルク。
朝食の種類を増やしておきたいけれど、今はまだお店で精一杯だ。
お店は昼過ぎ辺りに開けた。
特別な出来事は、昨日、友達になったヒナオさんが見に来たくらい。他にはなにもない、平和な日だった。
ヒナオさんは旅をしている。サンクシエカに長居はしない。明日、出発するそうだ。旅の途中でまたサンクシエカに立ち寄ったときは、会おうと約束をした。
ヒナオさんは、サンクシエカをカシュネへの通り道に使っているそうだ。カシュネに本籍を置いていて、時たま帰っているとか。
本当は帰りたくないそうだ。それなのに旅の仲間が定期的に帰るように言ってくる、と愚痴を漏らしていた。
他にはなにもなし。副産物系が出ていく、ここのところよくある一日だった。
売れすぎてしまうような、異常事態があればいいのに。




