静寂の月 十三日(晴れ)
静寂の月 十三日(晴れ)
昨日の騒がしさが嘘のように、今日は静かだった。
動物たちに荒らされた街の修復は、税金で行われると発信された。修復用の魔法薬は不要になったわけだ。
お店の棚に加えるとしよう。
今日はよくある普通の日だった。
まばらにお客さんが来て、品物を買ってくれる人がいて、顔見知りなら世間話もして。
そうしていると太陽が沈んでいく。
今日の夕食は何にしようか考えながらお店を閉める準備を進める。
昨日の棚の記録と、今日の販売記録を確認しながら、品物の数が正しいかを確認して……香水が二点、消えて無くなっていた。
落ちて割れたものはないし、棚の下に入り込んでいないか床に頬を押し付けるように捜しても見つからないし。いつ消えたのだろう。水を取りに行ったときかな。
なくなったのが香水でよかった。魔法薬だったら結構な痛手だ。
防犯意識の欠如は認識しないといけない。次は魔法薬がなくなるかもしれないのだ。
防犯といえば、最近魔法学校の方で、何やら新しい魔法が開発されたらしい。
一定の動作に対する記録を自動でつけてくれるとか、なんとか。
その話を詳しく聞いてみたい。私が知っているのは曖昧な噂話だけだ。