表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/378

静寂の月 七日(晴れ)

静寂の月 七日(晴れ)


今日はたまたま早起きをした。毎日のルーチンワークが早い時間で行われた。買い出しにも早い時間に出た。


気まぐれだったと思う。もしかしたら、何かに引き寄せられたのかもしれない。


時間があるからと、買い出しのときにいつもよりも大回りをして、いつもは見ないお店を見つつ買い出しをしたのだ。

そのとき、一軒の露天商と出会う。見ない顔だった。私はサンクシエカでは新参の部類だから、偶然知らなかっただけかもしれない。でも、街の外から来た人だと思う。姿格好が異国風で、少し浮いていた。


一見、普通の露天商だけど、他と違うところがあった。扱っている品だ。珍しい品を置いていたのだ。銀色で金属のように硬い羽根とか、白い石の彫り物とか。

その中に、魔法薬の材料になる物が紛れていた。


橙色の果物で、指先が器用になる薬などの材料になる。

夕日の実という、もっと西の方で採れる実だ。


非常に痛みやすく、多くは運んでいる内にダメになる。保存処理をしても、無視して痛む難敵だ。

エアラ国近辺では中々お目にかかれない。カシュネでもそうそう入手できない品だ。


見たところ傷んではいなかった。でも若干変色していたから、ギリギリってところだ。


それを購入し、買い出しを忘れて、お店に全力疾走した。痛みそうな部分を取り除いて、すぐに魔法薬へと変えた。


確認したところ、間違いなく夕日の実だった。似た紛い物じゃない。毒になる薬剤で保とうとしたり、実を殺すような方法で状態を保たれた痕跡もなし。

鮮度はいまいちだけど、自然に実っていた夕日の実だった。


できた薬はカウンターに置いた。魔法薬の中でも特に高い値にしてある。売れる前に変質して捨てなければいけなくなるかもしれない。



良いことがあった日だけど。億劫だ。今日、買い出しを忘れたおかげで、明日の買い出しが多くなる。こういうときに限って、水とか重い物が尽きそうなんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ