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黄昏の月 二十三日(晴れ)
黄昏の月 二十三日(晴れ)
掃除に一日が消えた。
看板を新しくするついでに、お店を全体的に綺麗にする、その一環だ。
この後、改装する予定なのに掃除をする意味はあまりないかもしれない。でも業者の人も、綺麗な場所だと仕事をしやすいと思うから、掃除をしておいた。
悪い癖だけど、日頃つい掃除を忘れてしまう。そのせいで、気がついたら汚れが溜まっている。自分のお店を汚いと思うのは、あまり気分のいいものじゃない。
定期的にしっかりと掃除をしていれば楽だと理解しているのに、私はそうしないのだ。
でも掃除が嫌いなわけじゃない。むしろ好きかもしれない。ただ、掃除よりも好きなことを優先してしまうだけなのだ。
今日は一日楽しかった。
綺麗にすると、その物の価値が上がる。それもあるけど、単純に綺麗なのがいい。
私のお店はお客さんが少ないから、お客さんの対応をしながらでも掃除ができる。
一日使って、そこそこ綺麗になった。裏は全く手を付けていないけど、表はだいぶ変わった。どうしようもない染み以外はピカピカだ。
この状態を維持できればいいんだけど、しばらくしたら戻っていると思う。