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黄昏の月 九日(晴れ)

黄昏の月 九日(晴れ)


今日は特筆することが何もなかった。

強いて挙げるなら、お店の棚が一つ傾いて、そこに乗っていた薬が全て床に落ちて割れたことくらいだ。あのときは自分でも驚く大きな声を出してしまった。

幸い傾いた棚には魔法薬を置いていなかった。一つだけしか。


片付けは大変だった。床に異臭を放つ池ができて、ガラス片が散乱していた。

風通しを良くして、近くにあった付近で口と鼻を覆ってから掃除を始めた。


ガラス片の掃除は後回しで、先に薬を除去する。

混ざった魔法薬は、灯りになる薬だ。他と混じり合って悪さをする類じゃないのは幸いだった。それでも他と混ざった魔法薬を放置しようとは思えなかったので、ガラス片が後回しになった。


頑張って掃除をしていると、お客さんがやってきて、物を固くする魔法薬の注文をしてくれた。紙が鉄と同じになるくらい効果が強いものだ。別の日に来てほしかった。

お店の惨状を見て、遅れても良いと言ってくれたけど。


そのお客さんは、片付けを手伝うでもなく、帰るでもなくじっと見つめてきたけど、あれはなんだったのだろうか。


傾いた棚がガタンと音を鳴らして、落ちるフェイントをしてきたり、手が汚れているときに急ぎで会計して欲しいとお客さんが来たり、大変な一日だった。


でも笑いながら書いている。だから、今日はきっと良い一日だったのだ。もう御免だけど。

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