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黄昏の月 六日(晴れ)

黄昏の月 六日(晴れ)


傭兵組合さんの依頼が終わり、一段落付けるかと思ったのだけど、今朝すぐに依頼が入った。


内容は味覚を共有する魔法薬だ。


人が得た情報を他の人に送るのは難しくない。魔法使いならよくやっているそうだ。簡単すぎるが故に、割り込んだり、その情報を盗んだりもしやすいそうだけど。


今回の依頼は、動物の味覚調査が目的だそうだ。野生動物はどんなものを食べているのか。人間との味覚に違いはあるのか。その辺りの調査らしい。

体調に依る味覚の変化も無視できないので、体力回復薬も付けることになった。


朝から作り始めて夕方には試作が完成した。

味覚共有の薬は、無色と赤色の二本の薬になった。無色の薬を飲んだ側の味覚が、赤の薬を飲んだ側へ送られる。逆はなにもない。

味覚を感じるだけなので、食べ物を口に含んで吐き出すのとあまり違いはない。


咀嚼していないのに噛む感覚があったり、確かに飲み込んだ気がするのに、お腹が膨れなかったりする。

慣れるまで強い異質感が付きまとう薬だ。食事の際に、味覚が混じらないとも限らない。本当に自分の舌で感じている味なのかわからなくなったら危ない。


味覚共有の魔法薬は、基本的に使う際の注意がない。しかし何よりも気をつけなければいけない薬だ。非常に不味いものを好んで食べる人と味覚を共有してしまったらとても辛い。


そんな薬を人のペットや、野生動物に使うらしい。念の為、中和する薬を用意しておこう。これ以上、私は知らない。

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