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帰巣の月 二十七日(晴れ)

帰巣の月 二十七日(晴れ)


今日は晴れてよかった。帰巣の月最後の日にして、外期最後の日だ。明日からは内期。寒い季節に変わっていく。当分は暑いままなんだけど。

黄昏の月の前日ということで、今日は街が賑やかだった。昔はこの日を境に遠出が制限されたから、駆け込みで食料や物資の補給に忙しい人がいたそうだ。その名残か、人混みがいつもより多くて、朝の買い出しに思いもよらない時間を使ってしまった。


街に人が溢れているから、私のお店もいつもより賑わうかと思ったのだけど、そんなことはなかった。

いつも通り、まばらな入店。来る人はやっぱり見た顔が多めだ。


見た顔の中に傭兵組合の人たちがいた。

内期に入ってから、遠征に出るらしい。出発は黄昏の月の十五日くらいを予定しているそうだ。

内期といえば、変異種の活動が活発になる。危険な時期に敢えて遠出をして腕を磨くそうだ。内期に入ってすぐだから、外期とあまり違いがないみたいだけど。


その遠征で必要になる魔法薬の注文があった。割と急な注文だけど、お得意さんみたいなものだし、時間的に不可能な注文でもない。


注文の内容は、火炎薬と体力回復薬と保温薬を大量に。麻痺薬と毒薬を少量の注文だった。


傭兵組合さんは材料を用意してくれるからとても助かる。大量の材料を確保するのは私個人では難しい。確保して購入できたとしても、多くて重くて簡単に持ち帰られない。

その点、傭兵組合さんは優良顧客だ。この前は出来上がった薬を運ぶにも手を貸してくれた。そのままの代金を貰うのが申し訳ないくらいだ。材料費を持ってくれたのは、本当にいいのかと困惑させられた。


まずはこの注文をしっかりと終わらせようと思う。他に注文が入ると、期間までに揃えるのが難しくなるかもしれない。明日はお店を開ける時間を遅くして、準備を十全にしよう。

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